研究課題/領域番号 |
20K01968
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研究機関 | 拓殖大学 |
研究代表者 |
北中 英明 拓殖大学, 商学部, 教授 (20297089)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 営業員 / 業績 / 非認知スキル / 非認知能力 / Non-cognitive Skill / Non-cognitive Ability |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、法人営業に従事する営業員の非認知能力と業績の関係を明らかにすることである。その際に、営業員の業務報告書を機械学習アプローチ(テキストマイニング)で分析し、営業員の非認知能力と個人業績の関係をエビデンスにもとづいて科学的に解明することを目指していた。しかしながら、諸般の事情により研究協力社との研究計画に変更が生じた*ことと、2020年のコロナ禍の影響**により、研究計画の遂行が大きな影響をうけた。その結果として、当初の研究計画を変更せざるを得なくなった。そこで、今後本研究計画の内容を下記の通り一部変更して実施することとした。すなわち、当初計画内容の業務報告書をテキストマイニングによって分析する段階を研究計画から除外し、その後の研究プロセス(非認知能力と営業員の業績の関係についての分析)を中心的な研究内容と位置づけ、それを実施することにより本研究を遂行していくこととした。 2020年度に関しては、テキストマイニングによるトピックの抽出から非認知能力を想定するのではなく、先行研究の調査から非認知能力を洗い出すこととした。文献調査からの知見をもとに質問項目を設計し、BtoB営業員を対象としたインターネット調査票調査を実施した。
*2019年に発覚したリクナビ事件の影響を受け、個人情報を機械学習的アプローチで分析することに対して、研究協力社経営陣から懸念が示され、最終的には業務報告書データの提供が見送られる結果となった。 **2020年に発生したコロナ禍から社会全般に広がった会合等の自粛の影響により、同社との間での定期的な研究会の開催も困難になってしまった。さらに、国内外への学会出張・参加が大幅に制限され、学会自体も中止・延期あるいはオンライン化へと変更された結果、学会発表等を含む研究活動計画の大きな変更を余儀なくされた。また、準備としての研究ノートを学内紀要に発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の影響により、2020年度前半は研究活動の停滞を余儀なくされた。また、前述の事情によるデータ入手の目処が途絶えたため、当初の研究計画の内容を変更せざるを得なくなった。しかしながら、現時点での進捗状況を変更後の研究計画に照らし合わせて判断すると、概ね予定通り進捗しているため、上記区分を選択した。
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今後の研究の推進方策 |
上記【研究実績の概要】でも説明したように、当初研究計画の内容について変更した。すなわち、テキストマイニングによるトピックの抽出から非認知能力を想定するのではなく、先行研究の調査から非認知能力を洗い出し、それらを用いて、営業員の非認知能力と業績の分析をおこなう。BtoB営業員を対象としたインターネット調査票調査は、2020年度に実施済みである(有効回答数: 1,000名)。2021年度以降は、インターネット調査票調査で収集したデータを用いて、各種統計的手法を用いて分析をおこない、営業員の非認知能力と業績の関係についての分析・考察をおこなう。 なお、テキストマイニングに関しては、研究手法としてのスキルを確立するとともに、今後営業員の業務報告書データが入手可能となった時に対応できるための準備を進めている。テキストマイニングに関する昨年度の活動実績としては、本研究内容には直性的な関係はないが、文献研究に応用しその結果をまとめた論文を、米国専門誌に投稿済みである(条件付き受諾となり、現在マイナー修正を実施・投稿準備中)。
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