本研究の目的は、法人営業に従事する営業員の非認知能力と業績の関係を明らかにすることである。その際に、営業員の業務報告書を機械学習アプローチ(テキストマイニング)で分析し、営業員の非認知能力と個人業績の関係をエビデンスにもとづいて科学的に解明することを目指していた。しかしながら、諸般の事情により研究協力社との研究計画に変更が生じ、当初予定していた営業員の業務報告書が入手出来なくなった。そのため、研究計画の内容を一部変更し、全体の研究活動を遂行した。 2020年度は、先行研究の調査から非認知能力を洗い出し、その知見をもとに質問項目を設計し、BtoB営業員を対象としたインターネット調査票調査を実施した(2021.2)。また、準備としての研究ノートを学内紀要に発表した。2021年度は、同インターネット調査票調査によって収集したデータを用いて、営業員の資質と業績の関係についての分析をおこなった。分析結果は、学会発表ならびに、学内紀要論文として発表した。また、テキストマイニング手法の導入として、Journal of Personal Selling & Sales Management(JPSSM、営業研究に特化したジャーナル)の創刊から最新号(投稿時点2019年)までの過去40年間に掲載された全論文(Editorialや書評等を除く)を対象とした、機械学習(トピックモデルによるテキストマイニング)による分析をおこない、営業研究の先行文献サーベイを行った。 2022年度には、営業員の仕事満足度と業績の関係の分析をおこなった。研究協力社における調査票調査(Web回答)を実施し、営業員の仕事満足度についてのデータを収集した。その後、当該企業における社内業績評価データをマッチングさせて、仕事満足度と業績の関係についての分析をおこなった。分析結果については、学会発表をおこなった。
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