研究課題/領域番号 |
20K01969
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
三浦 俊彦 中央大学, 商学部, 教授 (60190592)
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研究分担者 |
江戸 克栄 県立広島大学, 経営管理研究科, 教授 (80318592)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 文化 / 消費文化 / カルチャー・コンピタンス / ブランド戦略 / グローバル・マーケティング |
研究実績の概要 |
研究課題(カルチャー・コンピタンス・ブランディングの概念整理とグローバル展開への基礎研究)を解明するために、初年度(2020年度)は、当初、理論研究(文献研究)と実証研究(国内外企業インタビュー調査)を行う予定であったが、コロナ禍で国内調査が大変難しくなり、海外調査は不可能になったため、理論研究のみ行った。 理論研究については、日本企業のカルチャー・コンピタンスの重要構成要素であるCOO(原産国)イメージに焦点を当て、まず、近年の日本文化の新たなCOOイメージを表すクールジャパンの代表である日本アニメの消費者行動について考察し(三浦俊彦著、「マンガ・アニメの消費者行動 -コンサマトリーで、優劣の客観的判断基準がない製品の消費者行動分析-」『三田商学研究』、第63巻、第4号、慶應義塾大学商学会、pp.165-181)、続いて、日本文化の伝統的COOイメージであり、日本企業の強さの一つと言われる品質の高さなどを、消費者および企業の視点から考察した(三浦俊彦著、「日本的消費者行動・日本的企業行動の特徴と歴史的源流 -個人の強さと組織の弱さ-」『企業研究』、第38号、中央大学企業研究所、pp.3-24)。 また、文化の研究方法としてのピクチャ・マイニング手法の確立のための研究も行った(落原大治・綿貫真也・江戸克栄著、「避難行動促進のための恐怖感情喚起-防災・減災分野への消費者情報処理モデルの適用-」、日本感性工学会論文誌、第20巻1号、pp.59-68)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理論研究については、本研究のキー概念であるカルチャー・コンピタンスの構造がほぼ明確になってきており、またその構成要素の一つである日本のCOO(原産国)イメージについては、品質の高さや近年のクールジャパン(アニメなど)の研究を積み重ねて、分析は着実に進んでいる。 一方、実証研究については、初年度の企業調査がコロナ禍で不可能となった。 以上から、初年度の達成度としては、やや遅れていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
理論研究については、カルチャー・コンピタンスの構造・内容の理解が着実に進んでいるので、2年目以降、カルチャー・コンピタンスと海外市場文化とのマッチング課題について、さらに研究を深めていく。 実証研究については、2年目(2021年度)も海外に出張する調査は不可能と考えられるので(国内出張調査も難しい)、インターネットを使った海外消費者調査を行って、研究を進展させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、実証研究(国内外企業インタビュー調査)が、コロナ禍で実施できなかったため。 今後の使用計画は、2年目(2021年度)には、繰り越された予算額も適切に使用して、インターネットによる海外消費者調査の実施を計画している。
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