研究課題/領域番号 |
20K01970
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
久保 知一 中央大学, 商学部, 教授 (40376843)
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研究分担者 |
崔 容熏 同志社大学, 商学部, 教授 (70315836)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 卸売業者 / イベントスタディ / パワーコンフリクト論 |
研究実績の概要 |
本年度は、2つの研究を行った。第1に、製造業者による卸売統合というチャネル構造問題、そして流通業者の管理というチャネル管理問題について、古典的な理論を渉猟したレビュー論文を執筆した。Shawによる初期的研究、チャネル構造選択論、チャネル拡張組織論、パワー・コンフリクト論をとりあげて、それらの理論的特徴と特質についての検討を進めた。特に、90年代初頭までチャネル研究の主流パラダイムであったパワー・コンフリクト論の研究がその後に急速に萎んでいった点について検討した。第2に、卸売業者による同業他社の水平統合についての実証研究を行った。日本の卸売構造は、小売構造と異なって、業種ごとの縦割り構造が維持されている一方で、90年代以降に水平統合が盛んに行われたことから、業種内での集中度は上がっている。ただし、水平統合をはじめとするM&Aが企業価値を高めたのかは実証的なエビデンスが存在しなかった。そこで本研究では、90年代以降の卸売業者の水平統合が企業価値を高めるにいたったのかというリサーチ・クエスチョンを設定し、90年代以降に合併を行った121社の卸売業者のうち、44社75イベントに関する株価データを収集し、水平統合のアナウンスをイベントとするイベント・スタディを行った。分析の結果は、反応はポジティブとネガティブにはっきりと分かれたが、符号を逆転させるほどの大きな影響が何によって生じているのかはまだわかっていない。この点は今後の課題として残されており、現在も研究中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理論的レビューを終えたことと、イベント・スタディの予備的な分析を終えたことから、概ね順調であると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は統合のデータをインターネット上から検索して収集したが、2022年度は経済データベースからより包括的なデータセット構築を行うため、提供業者との打ち合わせを進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度はデータ購入に多くの予算を計画していたが、統合のイベントの収集はインターネット上で無料検索し、株価データも所属大学の無料データベースを用いたことから、データ購入費用がほとんどかからなかった。ただし、2022年度は大規模なデータセットを業者から購入して予算執行する計画である。
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