研究課題/領域番号 |
20K01972
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
西川 英彦 法政大学, 経営学部, 教授 (10411208)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | クラウドソーシング / 顧客エンパワーメント / ランダム化比較フィールド実験 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、クラウドソーシングにおける、顧客への選択エンパワーメント(顧客にアイデア選択を委譲)と市場成果との関係について、ランダム化比較フィールド実験等の実証研究を通して、明らかにすることである。 研究2年目も、コロナ禍のため、当初の計画を修正せざるを得ない部分もあったが、ランダム化比較フィールド実験に向けて、主に、次の3つの準備をおこない、研究を推進できた。 第1に、初年度のレビュー論文での発見や、研究会での報告の議論やフィードバックを参考に、実験に向けての仮説を構築した。 第2に、ランダム化比較フィールド実験に向けて、企業への協力の交渉や計画の準備をおこなう。そのために、取材で企業の現状を把握しつつ実験の交渉を進めてきた。取材の過程で発見した、多くのアイデアを集め商品化を実現し販売成果をあげるモバイル・クラウドソーシング・プラットフォームを実践する「みん100」のケースを『マーケティングジャーナル』(岡田・西川, 2022)にて公刊できた。 第3に、国内外での学会報告や参加、研究会での報告や議論を継続的に実施することで、仮説や実験計画の精緻化をはかってきた。初年度同様に、関連研究者や実務家と議論するために2つの共同研究会を主催した。研究代表者がリーダーを務める日本マーケティング学会の「ユーザー・イノベーション研究会」をはじめ、6社が参加する産学共同の研究である「User Innovation Lab.」を毎月開催し、研究の報告や議論だけでなく、研究協力に向けての関係性の構築もはかれた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究2年目も、コロナ禍のために、当初計画していた海外学会の現地での参加や報告、情報収集、企業の訪問取材を実施することはできなかったが、プログラムは縮小されたがオンラインでの海外学会で参加や報告ができたことや、オンライン取材を多く実施することができた。 さらに、2つの共同研究会も継続することができ、毎月、ランダム化比較フィールド実験の準備に向けた議論をすることができた。こうしたプロセスを経て、ランダム化比較フィールド実験の準備ができたため、おおむね順調な進捗状況といえる。
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今後の研究の推進方策 |
研究3年目は、ランダム化比較フィールド実験での実証研究を実施するために、主に、次の3つのことをおこない、研究を推進する。 第1に、実際の新製品開発プロセスを利用し、仮説にもとづきランダム化比較実験の条件(対照群、実験群)を設定した上で、企業が用意した複数のアイデアから、顧客がアイデア選択をできる状態にし、その選択結果と、そこでの個別ID(個人を特定できない分析用ID)などのデータを取得する。 第2に、最も多く選択された製品の発売後に、その製品全体の売上、および個別IDごとの売上およびアプリ等での行動データを取得する。なお、こうしたフィールド実験の結果から、新たな課題が発生した場合は、追加の実証実験として、オンラインサーベイ等により課題に関する解明を行うことも検討する。 第3に、国内外での学会報告や参加、研究会での報告や議論を継続的に実施することで、研究全体の精緻化をはかる。
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次年度使用額が生じた理由 |
発生理由は、海外学会での報告や国内外の研究者との研究打ち合わせ、企業取材が次年度にずれたためである。計画としては、次年度、海外学会での報告や、国内外の研究者との研究打ち合わせ、企業取材を実施する。
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