研究課題/領域番号 |
20K01978
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
岸谷 和広 関西大学, 商学部, 教授 (40330170)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | インフルエンサーマーケティング |
研究実績の概要 |
前年度の仮説構築を受けて、実験用のマテリアルを作成し、プレテストを実施した。実験用のマテリアルは、インスタグラムの投稿を模して、バッグを推奨する投稿ページを作成した。広告やsponseredされたことを示すPRレベルの有無と投稿者のプロフィール(ファッションモデル、専門家、一般的な事務員)を独立変数として、懐疑的な知識の生成と投稿に対する態度を独立変数として2*3の消費者プレ実験を行った。PRラベルとプロフィールそれ自体の交互作用は、懐疑的な知識の生成や投稿に対する態度には影響はなく、一般的な広告に対する懐疑的な態度という一般的な変数を投入することで、広告懐疑*プロフィール*PRラベルの交互効果が見て取れることができた。こうした事前の懐疑的な態度を投入しない限り、仮説の有意な結果が確認できないことは、仮説モデル自体の問題も考えられるが、仮説検証のための実験マテリアルの不備が考えられる。例えば、プロフィール内容も投稿の導入ページに追加することでより明確化させる工夫や、プロフィールの記載もその後の回答でより想起しやすい記載の変更や、投稿自体も対象商品の明確な理解を促進するテキストの変更が必要がある。PRラベルに関しても、PRラベルに関する記載も検討する必要があるだけでなく、PRラベルという表現自体認識されていない場合があることからマニプレーションチェックの質問項目も再考する必要がある。さらに、ファッションモデルのプロフィールをセレブリティの定義として操作化したが、先行研究においては、セレブリティをフォロワー数の多さとして定義され利用されている。そのことから、フォロワー数に関する操作も考慮する必要がある。これらを反映して、再度、プレテスト、もしくは本テストを実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ感染拡大において、国内出張や海外渡航の自粛、さらには、消費者実験の延期によって大幅に研究スケジュールが遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
消費者実験などを速やかに実施し、国内外出張で取得する予定であった専門的な知識の獲得も消費者調査を増加することで代替し研究を推進していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染予防で、国内外の出張の自粛で生じた国内と海外旅費の未使用分、消費者実験の延期によって生じた人件費や外部委託費の未使用分によるものである。それを受けて、今年度は、速やかに消費者実験を行うことと、旅費に関しては、その他の支出も考慮して検討する。
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