研究成果の概要 |
本研究では,米国籍日本在住の消費者を対象にしたフォーカスグループインタビューから,「『日本産』半耐久財・非耐久財の消費者にとっての魅力把握」を試みた。調査の結果,日本のブランド・製品の,清潔さ,品揃えの多さ,精巧かつシンプルなデザインなどを評価していることが確認された。 さらに,米国在住米国籍消費者を対象としたインターネット質問紙調査の結果,帰属欲求が高い消費者の方が,(国家あるいは民族に対する)エスニシティが高い傾向にあることが明らかになった。加えて,彼らが知覚する日本への“同一視”の程度が,「日本国,日本のエンターテインメント,日本人に対する好ましさ」と,正に相関することが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の研究成果のひとつは,既存研究ではほとんど検討されていない,半耐久財・非耐久財の日本産の製品やブランドに対する,外国人(本研究では米国人消費者)の評価属性を明確化したことである。 加えて質問紙調査から,日本への“同一視”の程度により,日本に対する国家イメージの評価属性が異なることを定量的に示した点である。 本研究で提示した結果は,まだまだ探索的な意味合いが強いものであるが,“同一視”の高低により日本に対する評価属性が異なるという結果は,わが国のインバウンド政策や,日本企業による米国への出店などに貢献しうるものであると考える。
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