本研究では、取締役会を構成する取締役の自社および他社における過去のM&Aの取引経験が、その後のM&A取引に対する評価や会計処理にどのような影響を与えるかを検証した。取締役会の経験値を算出するにあたっては、Tuschke et al.(2014,SMJ)を参照し、Board Interlockにフォーカスをあてた。検証の結果、過去におけるM&A取引の経験が、M&A取引に対する株式市場からの評価に影響を与えることは確認できなかったが、取引経験のある企業のほうがのれんの償却期間をより長期で選択する傾向があることが確認された。
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