現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和2年度は、①病院BSCにおけるタスク・シフティング(以下、TS)関連性に関する研究成果、②院内情報システムを活用した病院原価計算に関する研究成果、以上の2点を論文にまとめる作業を行った。 ①については、医師の働き方改革におけるTSの推進と病院BSCとの関係性を整理するために、医師事務作業補助者と特定行為研修制度を対象にして、病院原価計算を用いて算定したTS関連のコスト情報と病院BSCの関連性のほか、麻酔業務の絶対的医行為におけるTSと病院BSCの関連性について考察を加えている。当該研究成果は、(1)足立俊輔・末盛泰彦「タスク・シフティングに資する病院BSCに関する一考察」『九州経済学会年報』第58集でまとめている。なお、今後の研究については、日本医師事務作業補助研究会などの関連学会に参加して情報収集活動を続ける予定である。 ②については、前回の科研申請内容を引き継いだ研究であり、電子カルテの診療行為明細情報であるEF統合ファイルに記載されている「診療行為回数」を用いた「レセプト電算処理コード1件当たり費用」にをベースにした病院原価計算システムに変動費・固定費の区分を組込みつつ、医療従事者からの意見を取り入れながら検証している点に特色がある。令和2年度は当該研究成果を英語論文として投稿したため、(1) Adachi, S., Mizuno, M. and O. Maruta (2021), Effects of Cost Allocation Method Change on Patient Profitability Evaluation: A Case of Ability-to-Bear Principle, Japanese management & International Studies, Vol.18として2021年度に公開される予定である。
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