研究実績の概要 |
令和5年度は、アメリカ会計学会の年次総会(2023 AAA Annual Meeting: Denver, Colorado)に参加して、財務分析領域においてクリスティン・ブランド准教授(米空軍士官学校)、ジェフ・ジウェイ・ユー准教授(アリゾナ大学)らと研究交流を行った。第1回医療のための安全心理・安全行動国際会議・第11回臨床安全世界会議の合同国際会議(2024年3月16・17日、東京大学医学部キャンパス)に参加し、医療安全の側面からもタスク・シフティングの重要性を確認できた。 昨年度に引き続き、キャプランの研究方針に従って、医療資源と鉱物資源に関する原価計算システムを比較する研究を行った。今後も、これまで進めてきたDPCデータ(特にEF統合ファイル)に記録された膨大な患者データを原価計算システムに援用することの有用性を、温室効果ガス測定を主目的とする鉱物原価計算システムに当てはめる形で研究を進めていく予定である。なお、鉱物原価計算においては、ESG報告書などの提出目的のために個々の企業で整備されてきたGHG排出量に関するシステム・データは現在、環境省や経済産業省、それに研究所などのサポートにより、統合の流れがみられる。 こうした傾向は諸外国でも確認できる可能性が高く、環境や社会に対する研究アプローチは、フランスでは盛んに行われている。そこでフランスで当該領域において研究実績のあるジャック・リシャール教授(パリ・ドフィーヌ大学)らと意見交換を行うように渡航研究計画を予定している。なお、当該渡仏調査においては、両氏の研究領域に精通した大下丈平教授(九州大学名誉教授)および黒岩美翔准教授(長崎県立大学)との研究会を通じて準備を丁寧に進めることにしたい。
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