研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義・貢献しては、(1) 会計制度史・法制史の中で補完的に言及されていた監査史を、主たる研究テーマとして考察したこと, (2)英国、アメリカ、そして日本における監査を、委託受託関係に基礎を置く受託責任という観点から統一的に考察したこと, (3)受託責任概念を、内概念としての「会計責任」と「財産の保全管理責任」、素概念としての「支配」・「統治」に分け、これに基づいて監査史を分析していること、そして最後として、(4)監査という概念の定義が曖昧で、その濫用が顕著にみられる状況下において、内概念と外概念によってとらえられる範疇の保証を、学術的な監査概念とすべきことを主張したことがある。
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