研究課題/領域番号 |
20K02027
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
清水 涼子 関西大学, 会計研究科, 教授 (70454600)
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研究分担者 |
北波 道子 関西大学, 経済学部, 教授 (60454592)
三島 徹也 関西大学, 会計研究科, 教授 (70309342)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | カジノ / ゲーミング / 経済効果 / ガバナンス / 内部統制 |
研究実績の概要 |
2023年度は、研究期間の最終年度であった。最終年度の目標はそれまでに実施した研究成果を取り纏め公表することであった。研究期間全体を振り返ってみると、コロナ感染症の影響を受けた最初の2年間は国内での文献調査、3年目はそれまでに得た知見を元に現地に赴き視察・ヒアリングを行った。これにより、経済、法学、会計学の観点からのカジノ・ゲーミング事業に係る我が国の課題を把握することができた。これらの成果を元に、2023年10月に書籍を刊行することが出来た。経済的観点からは、IR参入を肯定的に捉え、先進技術による透明性の確保と地下化させないことによって税収等の財政収入を確保し、IRを集客装置として地域経済の振興を図る工夫が必要とした。法学的観点からは、事業の公共性からカジノ事業者、特にその取締役には高度な注意義務が課せられる。株主の利益を図ることのみならず、国および地方の利益を図る事業運営が必要とした。会計・監査的観点からは、米国のゲーミング事業者が直面するリスクにどのように対応しているのか、そのリスクマネジメントに着目した。規制リスクに対して内部統制の必要性を挙げ、規制機関は、ゲーミング事業者に自律的な経営と成長を促しながら規制により事業を保護する必要があるとした。税務的観点からの考察としては、米国の経験では、州間の比較調査研究の結果、低税率を基礎とするゲーミング税制が財源を確保する最も効果的な方法と考えられるとした。
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