本研究はミクロレベル(個別企業)の会計情報を集約して作成したマクロレベルの会計利益情報(集約利益)を用いて以下の点を解明しようと試みた。(1)集約利益を用いてマクロ経済指標(GDP、設備投資、消費等)の将来予測が可能である点を検証した。(2)世界21ヵ国の四半期財務報告データを用いて、集約利益およびその分解構成項目(利益率指標、効率性指標)が将来のGDP成長率を予測するうえで有用である点を析出した。加えて、リーマンショックやCOVID19などのショックの影響をモデルに組むこむことで、集約利益のGDP予測能力を向上させることが可能である点も明らかにできた。
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