固定資産は,キャッシュフローに関係なく長期的に損益に関わることにその特徴があり,裁量的行動の対象になりやすく,裁量的行動を含む会計情報は情報の非対称性を生み,利害関係者の判断を歪める恐れがある。そこで,裁量的行動の検知により,利害関係者にとっての情報の非対称性を解消すること及び裁量的行動の抑制が考えられる。本研究では,一般に入手可能な企業の公表財務データから,固定資産の会計処理を,自己組織化写像を用いたクラスタリング等の分析手法等を用いて,一体的かつ中・長期的にわたって分析し,固定資産会計に関する裁量的行動の検知方法,及びその財務的背景の把握方法について解明することを目的としている。
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