研究課題
基盤研究(C)
本研究は,会計基準間競争における国際的な会計基準の変化を説明・予測する概念的なモデルの開発を目的とする。本研究の結果,(1)国際的な会計基準はそれぞれ異なる体系を有していること,(2)国際的な会計基準は,それぞれ異なる体系における核となる概念ないし考え方を堅持したまま,他の周辺概念や下位概念を修正することで,他の会計基準の変化の影響を吸収する形で進化しているという視点で分析モデルを構築できる可能性があることが明らかになった。
会計学
本研究のような国際的な会計基準の変化を統一的に説明・予測しようとする研究成果によって,日本基準,IFRS及び米国基準とそれぞれに分断されていた会計制度研究を統合できる可能性があり,本研究はわが国の会計制度研究を新たな方向へ転換させる特色のある研究になると考えられる。また,会計基準の変化は財務諸表の変化を通して資源配分の変化をもたらすものであるため,本研究のように会計基準の変化を分析対象とすることは,非常に意義のある研究といえる。