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2023 年度 実績報告書

非対称なコスト・ビヘイビアが日本企業のペイアウト政策に与える影響に関する実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K02041
研究機関大阪公立大学

研究代表者

石川 博行  大阪公立大学, 大学院経営学研究科, 教授 (60326246)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード配当政策 / コスト粘着性 / 収益性シグナリング仮説 / 価値関連性 / コロボレーション効果
研究実績の概要

本研究は、日本企業のコスト粘着性がペイアウト政策とどのような関連性を有しているのかを実証的に解明することを目的としている。米国企業を分析対象としたHe et al. (2018) は、コスト粘着性と配当水準の間に統計的に有意なマイナスの関係を発見しているが、日本企業の年次データおよび四半期データを用いて同様の検証を行った石川 (2021, 2023) は、両者の間にプラス有意の関係が存在することを発見している。この結果は、日本企業のコスト粘着性に、将来業績に対する経営者の自信という、配当と同様の情報内容が含まれていることを証拠付けている(収益性シグナリング仮説)。
最終年度は、コスト粘着性と株価の関係を検証することを通じて、コスト粘着性に関する収益性シグナリング仮説の妥当性を検証した。具体的には、Ohlson (2001) モデルに依拠した回帰モデルを推定することを通じて、次の事実を発見した。①日本企業のコスト粘着性は、他の条件を所与としてもなお、将来の好業績に対する経営者の自信を表すシグナルとして、追加的なプラスの評価を受けている。②コスト粘着性が高い企業の利益の価値関連性は相対的に高くなる。③コスト粘着性が高い企業の次期増配シグナルは、将来の好業績に対する経営者の自信が相対的に高いと評価され、プラス・アルファの評価を受けている(コロボレーション効果)。以上の結果は、日本企業のコスト粘着性について、収益性シグナリング仮説で説明できることを示しており、石川 (2021, 2023) の証拠と整合する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 日本企業のコスト粘着性が株価形成に与える影響2024

    • 著者名/発表者名
      石川博行
    • 雑誌名

      大阪公立大学大学院経営学研究科Working Paper

      巻: 202401 ページ: 1-20

  • [学会発表] 四半期決算発表に対する株価反応2023

    • 著者名/発表者名
      石川博行
    • 学会等名
      日本経済会計学会第40回年次大会

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公開日: 2024-12-25  

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