研究課題/領域番号 |
20K02052
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
中野 貴之 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (70287952)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ディスクロージャー制度 / 記述情報 / テキスト分析 / 経営者による経営成績等の分析(MD&A) / リスク情報 |
研究実績の概要 |
金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ(DWG)は、2018年6月に報告書を公表し、有価証券報告書の記述情報の開示の枠組みを改めるべきことを要請した。その後、金融庁は「記述情報の開示に関する原則」および「記述情報の開示の好事例集」を公表し随時改訂するとともに、2020年3月決算期以降、新制度の下、記述情報の開示が行われている。当該ディスクロージャー制度改革の背景には、有価証券報告書における記述情報、すなわち経営者による経営成績等の分析(MD&A)とリスク情報がボイラープレート化し、投資家のニーズを満たすものになっていないという問題意識がある。 本研究の目的は、以上の動向を念頭に置きながら、ディスクロージャー制度改革の有効性を検証することである。具体的な研究主題として、(1)旧制度の下、記述情報は本当にボイラープレート化していたか、(2)新制度の下、記述情報と財務情報の関連性は向上したか、(3)旧・新制度において、記述情報の予想能力に違いは生じているか、の検証を予定している。 本年度は、初年度であるため、主に文献サーベイおよび研究用データベースの構築を進めた。データベースについては有価証券報告書の記述情報のみならず、企業のディスクロージャー活動として関連性のある、twitterのデータについても収集し、データベース化を進めた。これらのテキストデータは大量であるため、完成には至っていないが、当該作業は研究2年度目には完了する見込みである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
テキストデータのデータベース化が当初の予想よりも時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
テキストデータのデータベース化に優先的に取り組むことにより、研究データベースの構築を完了し、分析のステップに移行したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の感染拡大により予定していた旅費の支出がなくなったことが主な原因である。データの購入等に充当したい。
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