本研究の学術的意義は、農村研究のなかでも女性農業者の技術という未開拓の視点から調査、研究することを通してその再評価をおこなった点にある。女性の技術に注目したことによって、その習得や保有、継承には明らかに社会的性差や地域的差異があることを解明でき、地域社会研究のなかに位置づけることができたと考える。また、現代的な農業技術のジェンダーが固定化された過程を明らかにすることもでき、男女共同参画への議論の新しい視点を提供する可能性ができたと考える。女性の保有する農業技術と生活技術が農業や農村地域の持続的発展に寄与することも明らかにでき、農村地域社会を展望するための糸口を捉えることができたと考える。
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