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2023年度の研究は、主にホワイトカラーを中心として企業レベルの賃金制度および産業レベルの賃金交渉の実態を調査するため、ホワイトカラー労働組合のアーカイブス（TAM arkive）や議会図書館での資料収集と、公共部門における賃金制度を明らかにするための地方自治体の人事部および労働組合へのインタビュー調査を、夏と春の2回に分けて実施した。これら資料収集とインタビューを通じて、民間および公共部門における職場レベルの賃金設定の実態が明らかとなった。この成果は、2023年度中には1回の学会報告と1本の公表論文として公表されているが、2024年度にも2～3本の公表論文として刊行予定である。
2020年から2023年度までの期間全体を通じて実施した研究の成果としては、2020年から2022年までコロナ禍によって現地調査が困難となったものの、その後の現地調査再開によって、①1950年代以降のスウェーデンの職場レベルの労使間の賃金交渉および賃金設定の実態が、民間ホワイトカラーを中心として明らかとなったこと、②1990年代以降の公共部門における賃金設定について、民間部門と比較した特徴が明らかとなったこと、③スウェーデンの職場における賃金設定に関連して、1990年代より導入された男女間の賃金格差を是正するための賃金調査の役割が明らかとなったこと、の3点である。これら研究期間全体を通じた研究成果は、これまでのところ公表論文3本、学会報告4回として公表されているが、今後、書籍等のより包括的な形で全体的な研究成果を公表する予定である。
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