研究課題/領域番号 |
20K02095
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
浜本 篤史 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (80457928)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 立ち退き / 土地収用 / 補償 / 生活再建 |
研究実績の概要 |
本研究は、ダム事業にともなう社会的影響に関するデータを収集し、その全体像を把握・分析することを目的としている。これを通じて、日本において公共事業にともなって生じる犠牲に対する政策パッケージがいかなるものか、その特質を明らかにすることを企図するものである。
過年度と同様に、新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受けたが、それでも2022年度は北海道、北陸、東海、北関東などの各エリアで資料収集および現地調査をおこなうことができた。とりわけ、大正期以降に盛んになった水力発電事業について、庄川流木争議を掘り下げる機会を得て、寄付という形式を含む地域補償の原型ともいえる時代状況を把握し、さらに戦後の「総合開発」という文脈における地域還元策の検討をおこなった(これらの成果は、シリーズ環境社会学講座2巻所収論文として2023年6月に刊行予定である)、さらに1970年代以降に水源地域対策特別法の制定を受けて1970年代以降に各流域で設置された水源地域対策基金についても視野を広げて基本動向の整理をおこなった。また本研究では、benefit-sharing(利益共有)概念との接合を目指しており、以上の作業や把握をふまえた初歩的検討も進めた。
以上のような活動も同時並行でおこないながら、2022年度は事業者および自治体発行の各種資料、さらには移住関連の資料など突き合せ、データーベースの入力作業を進捗させていった。一通りのデータは集まってきているが、未収集データや複数の異なるデータの取り扱いなどが課題として残されている状況にある。以上がこれまでの到達点である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの感染拡大により、現地調査を部分的にしか実施できず、また図書館等での資料収集も限定的になったことによる。
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今後の研究の推進方策 |
調査研究の環境が整うかどうかを見極めつつ、基本的には当初計画案の遂行を目指していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症拡大にともない研究期間を延長したため。
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