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2022 年度 実施状況報告書

陶磁器産地の技術革新メカニズムに関する国際的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K02099
研究機関大同大学

研究代表者

松木 孝文  大同大学, 教養部, 准教授 (90589269)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード陶磁器産業 / ファインセラミック産業 / 中国研究 / イノベーション
研究実績の概要

2022年度は既存の資料・論文の分析を主として行いつつ、新規の資料の入手に努めた。
国立国会図書館等に所蔵されている、戦後~1980年代の窯業専門紙の分析から、当時の東海地域の窯業において技術開発を主導した企業・地域などの具体的名称が明らかになった。
また、申請者は以前の調査で戦後、日本から中国各地域に対する窯業プラント技術の提供があった事を明らかにしていたが、2022年度の調査により、関連する具体的企業・団体、相互の関連などの背景が明らかとなった。
中国への窯業プラント技術の提供に関しては、岐阜県の窯業機械メーカーが重要な役割を果たしていた模様である。しかしながら中国国内の問題から、日本からの直接のプラント輸出が困難であり、しばしば中国へ「その他の国」の製品として持ち込まれたことが示されていた。以前申請者が実施した広東省潮州市の窯業調査では、しばしば「台湾からの窯業プラント輸入」が産地にとって重要な契機となった事が明らかとなったが、導入された技術の特徴や普及年代に関しては、当時の日本国内の陶磁器産業の状況と符合する点が多い。
こうした中国国外からの窯業技術の導入については、今回調査対象地域に選定した広東省潮州市の陶磁器産業にとって、また日本の陶磁器産地の動向にとって重要なポイントとなるため、関連する企業や団体等に関しては現在調査を予定している。
また、昨今の中国の陶磁器産業の動向を把握するため、「軽工業年鑑」等の統計情報の取得と整理を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス禍もひと段落ついたものの、中国調査に関しては国際情勢もあり、現在極めて難しい状況にある。また、国内の調査についてもまだコロナ禍前程に受け入れてもらえる状況にはなく、フィールドワークが難しい状況にある。

今後の研究の推進方策

現在までの進捗状況で示した通り、中国現地における調査が難しい状況にあるため、中国調査については基本、資料調査に切り替えている。特に2022年度の成果として示した中国国外から中国陶磁器産地への窯業技術の導入については、関連する資料が多数発見された為、そちらをイノベーションの一例と位置付けつつ、導入のプロセスが具体的にどのようなものであったのか、明らかにしてゆきたい。
2023年度については、国内調査については以前よりも実施しやすくなると予想されるため、窯業プラント関連の企業や、中国への輸出を行う企業等に聞き取り調査を実施し、所期の研究目標を達成したい。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス禍により、予定していた中国現地における調査を実施できなかった事、国内調査も難しい状況にある事等から、それらに支出予定であった経費が執行できなかった。そのため次年度使用額が生じる事となった。調査候補地にある大学とは定期的に連絡を取っているものの、2023年5月現在、なお調査実施の目途が付かない状況である為、基本的には資料の購入・国内での資料調査のための旅費(国立国会図書館・国立公文書館・JETROアジア経済研究所)・聞き取り調査のために充て、所期の研究目的を達成する予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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