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2023 年度 実施状況報告書

陶磁器産地の技術革新メカニズムに関する国際的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K02099
研究機関大同大学

研究代表者

松木 孝文  大同大学, 教養部, 教授 (90589269)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード陶磁器産業 / ファインセラミック産業 / 中国研究 / イノベーション
研究実績の概要

2023年度は既存の資料・論文の分析を主として行いつつ、新規の資料の入手に努めた。 22年度においては国立国会図書館等に所蔵されている、戦後~1980年代の窯業専門紙の分析から、当時の東海地域の窯業において技術開発を主導した企業・地域などの具体的名称が明らかになったが、23年度はその具体的内容に関する文献調査を継続した。
また、昨今の中国の陶磁器産業の動向を把握するため、「軽工業年鑑」等の統計情報・既存研究・報道資料等の整理を行った。中国の陶磁器産業は今なお国際的に高いシェアを占めているものの、近年は為替の影響もあって日本産の陶磁器の輸入も目立つという。
その他、計画立案当初予定していた中国広東省潮州市の研究協力者と連絡を取り、互いの研究課題・今後の調査予定などを共有すると共に、2024年度の調査計画の立案に向けて打ち合わせを行った。
広東省潮州市は東海地域と同様、陶磁器工業の集積地ではあるが、現場における人手不足・労働者の高齢化が進んでいる。そのため、ロボット技術の導入等による省力化がすすめられているが、技術・費用の制約が強く(陶磁器生産は繊細な作業を必要とし、その上単位当たりが安価)、多くの企業において問題が未解決であるという。一方で、東海地域の陶磁器産業においてはロボット技術による省力化、省力化を前提とした経営の多角化に成功している企業がある。この差は技術水準・資金の大きさの違いというよりは、企業内・産地内の知識・技術の共有範囲の違いから生まれると推測される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ようやく中国現地の大学・研究者より、調査研究が実施可能な旨連絡が入った。互いの調査情報等を共有し、具体的な調査計画を打ち合わせ中である。23年度後半から24年度にかけて、急速に調査を進められる状況になったが、現地調査等はこれからであるため、当初の予定よりは遅れていると判断している。

今後の研究の推進方策

新型コロナウイルス禍、国際情勢等で研究の遂行自体が危ぶまれた時期もあったが、上述の通り、現地の情報が入るようになり、また具体的な研究協力も形成されたため、所期の研究目標を達成できるように調査を進めていきたい。中国現地の大学・研究者も今後も陶磁器産業研究を継続したい意向を持っているため、2024年度に研究成果をまとめるのみならず、長期的な調査協力体制を構築し、研究成果を出せるように研究を進めていきたい。

次年度使用額が生じた理由

当初計画していた実地調査が現地大学の事情等により実施困難であったため、次年度使用額を残す事となった。また、資料調査等については、22年度以前に多くの資料を収集していたため、23年度についてはその分析等に費やす事とした。
未使用の費用については、主に24年度の中国調査及び中国現地の大学研究者の来日のための費用に充てる予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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