研究課題
基盤研究(C)
本研究プロジェクトは、社会的合意論と記憶論との理論的観点から、国境地帯での自衛隊施設の配備を通し、地域と国家の関係を明らかにするとともに、その現状が抱える課題の提示を目的として開始した。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大のため、離島である与那国、石垣、宮古島、また、台湾への訪問は自粛せざるをえなかった。大幅に内容は変更となったが、訪問した奄美大島では、国防と地域的記憶との関係について、また、北海道調査によって、南北国境地帯での比較研究の視点について、具体的な知見を得ることができた。
社会学
学術的には、防衛という国家事項に関する議論について、記憶論的観点から分析できる可能性が明らかになった。また、北海道での予備調査では、防衛と、屯田兵、北方領土、原住民などの記憶との関係を考察する端緒が開けた。社会的には、自衛隊配備による地元負担を具体的に明らかにし、自衛隊配備について地元、社会、政府の判断材料になることが期待できる。