研究課題/領域番号 |
20K02110
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小林 大祐 金沢大学, 人文学系, 教授 (40374871)
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研究分担者 |
前田 忠彦 統計数理研究所, データ科学研究系, 准教授 (10247257)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 調査員効果 / 社会的望ましさバイアス |
研究実績の概要 |
2022年度は,これまでの研究成果として,2022年11月12日に日本社会学会第95回大会において,小林 大祐・前田 忠彦の連名報告「発表標題個別面接調査における調査員の観察可能な属性が回答に与える影響:自記式調査との比較による検討」を行った。この報告においては,2021年度の学会報告と同様に,自記式モードと他記式モードを併用した調査データである,統計数理研究所が2012年に実施した「国民性に関する意識動向2012年度調査」を用いて,調査員が「男性」,調査員が「女性」,調査員が「いない」という3パターンの比較から,調査員の影響がない場合を基準とするという独自のアプローチによって,調査員の性別の影響を解釈を試みている。ただ,2021年度の報告では,意識変数に対する調査員の性別の主効果と回答者の性別との交互作用効果という3変数の分析に留まっていたため,2022年度は他の変数をコントロールしても,この傾向が保持されるかについて多変量解析によって検討した。その結果,調査員および回答者の他の基本属性変数を考慮しても,男性調査員と男性回答者の組み合わせにおいて,例えば「近所とのつきあいの程度」をより高頻度に回答する等,調査員の性別と回答者の性別の交互作用効果を確認することができた。これらの分析結果からは,必ずしも調査員の属性と関連しないような内容の質問であっても,「目に見える調査員の特徴」が回答に影響を与えている可能性が示唆される。本学会報告では様々な有益なコメントが得られたので,それらを踏まえて論文の執筆を始めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題においては,現在分析を行っている,「国民性に関する意識動向2012年度調査」以外にも,「国民性調査」の第13次,第14次データについて,調査員情報を付加したデータセットを整備し分析を行うことになっていたが,コロナ禍などの影響もありデータの整備に時間が掛かり,これらのデータセットの分析に取りかかれていない。すでにデータ分析が可能な「国民性に関する意識動向2012年度調査」からは有益な分析結果が得られており,研究目的の達成において支障をきたしているわけではないが,それでも研究計画からは「やや遅れている」と評価するのが妥当だと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は「現在までの進捗状況」でも述べた,「国民性調査」の第13次,第14次データについて,調査員情報を付加したデータセットを整備し分析を行っていくことで,すでに得られている傾向の確認を行う。その上で,得られた研究成果を学会発表や論文としてまとめていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により,当初定期的に実施を予定していた研究打ち合わせや学会発表がオンライン実施となったことで,これらに掛かる旅費が大幅に少なくて済むことになったため。2023年度は,「国民性調査」の調査員情報を付加したデータセットの整備とその分析に関して,研究分担者の前田忠彦氏との対面での研究打ち合わせを,東京都立川市または石川県金沢市で計4回実施することを計画しており,このための旅費とデータ整備に掛かる作業のための人件費に主に使用する計画である。
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