地域共有物の観点から災害レジリエンスを捉える視点のもと、「コミュニティ」を諸々の地域共有物の管理に関わる社会システム、単一の地域共有物に対応する部分社会システムを「コミュニティ・モジュール」と概念化した。現代都市コミュニティは、分業や分担の形で住民が部分的に諸々の地域共有物の管理に関わる「コミュニティ・モジュール複合」として捉えられる。熊本市で実施した市民意識調査データの分析によって、地域共有物管理に部分的に関わる形のフリーライダーが、社会関係資本のストックとして、地域社会の災害レジリエンスを高める働きを実証的に解明した。また、一般化された互酬性の規範がその働きを補強することを見いだした。
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