研究課題/領域番号 |
20K02125
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
鄭 雅英 立命館大学, 経営学部, 教授 (90434703)
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研究分担者 |
金 早雪 大阪商業大学, 経済学部, 教授 (20186307)
朴 一 大阪市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (70208734)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 韓国民主化運動史 / 在日韓国学生同盟 / 中国朝鮮族と文化大革命 |
研究実績の概要 |
2021年度は前年度に引き続きコロナ感染症拡大の影響を受け、インタビュー調査や研究会開催などに影響を受けたが、後半期からは研究活動を再開し一定の進展があった。 在日コリアン学生運動に関しては、2021年11月20日韓国系学生団体(在日韓国学生同盟)の活動に1960年代70年代に参加された方各1名への聞き取り、2022年1月23日同じく1970年代に参加された方3名への聞き取りを行い、口述資料の蓄積を行った。10月30日には大阪商業大学にて研究会を開催し1960年代の在日コリアン学生運動と韓国・日本の社会状況およびその影響について議論を行った。なお10月15日立命館大学の協力研究者研究室を訪問し1960年代以降の韓国学生同盟資料の確認と意見交換を行ったほか、研究代表者は東京国立国会図書館にて、1950年代から60年代にかけての韓国民団系新聞資料を中心に資料収集を行った。研究代表者は、在日コリアン社会運動において1960年代に至る時期としての1950年代を重視しており、1950年代韓国学生同盟草創期の状況をテーマにした論文を準備している。 中国朝鮮族の文化大革命に関しては、同じく研究代表者が国立国会図書館ほか資料館、図書館における資料収集を行ったほか、1950年代以降の延辺朝鮮族社会情勢に関する資料分析を進めた。研究代表者は1960年代文化大革命に至る前段階として延辺朝鮮族の1950年代反右派闘争をめぐる背景としての国際関係と中国内民族関係を分析する論文を準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ感染症拡大に伴う日本国内の緊急事態、蔓延防止措置の相次ぐ発令により、とりわけ2021年度前半気に予定してた対面インタビュー調査(被調査者の状況によりオンラインによる面接インタビュー調査は不可能)および韓国、中国における資料収集活動(インタビュー調査を含む)を中止せざるを得ず研究活動の進展に大きな障害となった。とりわけ東京在住の在日コリアンに対するインタビュー調査がすべて延期になったのは、当初の計画を遅らせる大きな要因である。 ただしコロナ感染症状況が多少改善された2021年度後半気においては、日本国内におけるインタビュー調査2回、研究会1回、蓄積資料の確認と国会図書館ほかでの資料収集を進めることができた。 2022年度においても予断は許さないものの、継続してインタビュー調査と資料収集、研究科活動を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
在日コリアン学生運動史に関しては、在日韓国学生同盟に1960年代に参加した東京(中央総本部)と関西各地方本部のメンバーだった方々へのインタビュー調査を集中的に行う。また資料調査も同時並行的に進め、特に1965年の日韓条約反対運動以降の在日運動と日本の学生運動史との接点を軸に調査を進める。韓国における調査は、年度後半に予定する。研究参加者の関連する学会にて、中間総括的な報告を予定する。 中国朝鮮族と文化大革命に関しては、1950年代から60年代にかけての中国の少数民族政策と、中国朝鮮族をめぐっ中華人民共和国および朝鮮民主主義人民共和国を取り巻く国際関係 が朝鮮族青年の社会意識にどのようなな影響を与えたのかを、資料(朝鮮族の自叙伝、地方史など)を中心に解析する。中国延辺朝鮮族自治州における現地調査を後半期に予定する。また研究代表者は論文作成を行う予定である。 なお、コロナ感染症による研究活動の遅滞から、研究計画の延長を検討したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染症拡大により、当初予定していたインタビュー調査と韓国および中国における調査と資料収集活動が行えなかったため。インタビュー調査は、東京と大阪で予定されていた3回が延期されたままである。韓国ではソウルを中心にした1960年代韓国民主化運動関連資料収集と在日コリアン研究者との意見交換、中国では延辺朝鮮族自治州における1950‐60年代社会状況に関する資料収集と朝鮮族現代史研究者との意見交換を予定していた。
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