研究課題/領域番号 |
20K02149
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
辻 竜平 近畿大学, 総合社会学部, 教授 (40323563)
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研究分担者 |
濱崎 友絵 信州大学, 学術研究院人文科学系, 准教授 (90535733)
茅野 恒秀 信州大学, 学術研究院人文科学系, 准教授 (70583540)
相澤 真一 上智大学, 総合人間科学部, 准教授 (00456196)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 伝統文化 / 都市部 / 郡部 / 階級・階層 / 聞き取り調査 / 公教育 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,多種多様な日本の伝統文化がどのように伝承されてきたのかを探ることである.日本の伝統文化には,公教育の場で教えられるものや,専門の教室で指導が行われるもの,プロフェッショナルな職業として成立しているものもある.しかし,伝統文化の多くは,地域社会において細々と継承されてきており,それらの継承については,あまり系統立てて整理されていない.そこで,地域社会において継承されてきた文化について,それがどのような人々によって,どのようにして継承されてきたのかを探ろうとした. 初年度にあたる2020年度は,都市部と郡部のそれぞれにおいて,いくつかの伝統文化の担い手(リーダー格に相当する人)に聞き取り調査を行い,当該文化の継承者とその特徴(誰と伝統文化にかかわる活動をしているかや,地域における階級・階層,その他重要と思われる側面)について記録する予定であった.また,公教育機関でも,どのような文化が取り上げられているかについて調査する予定であった.さらに,研究会合を行い,それらの成果を持ち寄って,伝統文化のさまざまな継承のパターンについて整理する予定にしていた. しかしながら,新型コロナウイルスのパンデミックが発生したため,伝統文化の担い手への聞き取り調査の実施は困難と判断し,研究活動全体を1年間延期することにした. そのため,ほとんど実績らしい実績は上げられなかったが,各自で広い意味で本研究に関わる研究を遂行した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
伝統文化を担うリーダー格の人々に対する聞き取り調査を予定していた.しかし,新型コロナウイルスのパンデミックのため,聞き取り調査を行うこと自体が躊躇され,実施に至らなかった.
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今後の研究の推進方策 |
今年度も,現時点では感染拡大が続いており,ワクチン接種が国民全体にある程度進むまでは(もしくは,本科研に関わる研究者自身への接種が終わるまでは),聞き取り調査を自粛せざるを得ないと思われる.おそらく,年度後半にはそのような状態になると予想されるので,オンライン会議を行いながら,年度前半のうちに対象者の選定などを行い,年度後半に状況が好転すれば,速やかに聞き取り調査を行えるように準備したい. しかし,なお伝統文化を担う人々への調査の実施が難しい場合は,調査方法や調査対象者の変更などを検討していくことにしたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は,予定していた聞き取り調査が実施できず,そのための交通費や謝金などを使用することがなかった. 2021年度は,新型コロナウイルスのある程度の終息を待って,2020年度に予定していた聞き取り調査を実施する予定である.また,本来2021年度に予定していた調査法調査については,実施までは至らないと思われるが,それに向けた準備を進めたい.
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