研究課題/領域番号 |
20K02152
|
研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
中野 康人 関西学院大学, 社会学部, 教授 (50319927)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | テキストデータ / 社会意識評価辞書 / 国際比較分析 |
研究実績の概要 |
本研究では、蓄積されたテキストデータを用いて人々の社会意識や感情を時系列的に測定することを主目的として、三つの小目的に分割して研究実施計画をたてた。 「小目的1」は、データの収集・整備である。社会意識を遡及的に精度よく抽出するには、ある一定の基準で選別・蓄積されたデータが必要になる。2020年度は、日刊全国紙の読者投稿欄や国会議事録のデータベース化を継続的に実施した。また、SNSデータの蓄積に利用できるスクレイピング関数の実装にも取り組んだ。蓄積されたデータは、社会科学のデータ標準である DDI(Data Documentation Initiative, http://www.ddialliance.org/)に準拠した形で整理を進めている。 「小目的2」は、社会意識辞書の整備である。そのために、自然言語に含まれる多様な社会意識を評価できる尺度を開発する。この目的については、実験的調査票調査を企画して測定する計画である。2020年度には、調査企画と予備調査を実施予定であったが、対人接触を避ける期間が続いたため、進捗に滞りがある。2021年度に、調査方法の再考も含めて検討する。 「小目的3」は、オランダ戦争資料研究所の研究協力者と共同しての国際比較分析とその発表である。2020年度には、共同の研究会や学会報告を予定していたが、お互いに現地渡航ができない状況が続いているため、ここまでに蓄積されたデータの分析について、オンラインでの情報のやり取りを続けるにとどまっている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度は、対人接触を避けざるを得ない期間が続いたため、対面での(予備)調査票調査が実施できなかった。また、研究交流・研究報告の場と想定していた国際学会や海外研究機関との研究会が、世界的な渡航制限によって実質的に参加不可能となったため。
|
今後の研究の推進方策 |
「小目的1」については、このまま継続していく。 「小目的2」については、調査方法を対面以外の方法に再構築して実施を計画する。 「小目的3」については、当面オンラインでの発表や交流に頼らざるを得ない。
|
次年度使用額が生じた理由 |
予定していた海外出張や、謝金が発生する予備調査を実施できなかったため。翌年度に実施予定の実験的調査票調査の費用に充当する計画である。
|