研究課題/領域番号 |
20K02169
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研究機関 | 学習院女子大学 |
研究代表者 |
時安 邦治 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 教授 (80386797)
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研究分担者 |
西山 哲郎 関西大学, 人間健康学部, 教授 (10263188)
宮本 真也 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任教授 (30386429)
関 嘉寛 関西学院大学, 社会学部, 教授 (30314347)
谷本 奈穂 関西大学, 総合情報学部, 教授 (90351494)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 公共性 / 身体の社会学 / 美容整形 / 女性のネットワーク / 震災ボランティア / 日常性 / スポーツ / 指導スキル |
研究実績の概要 |
令和2年度は新型コロナウイルスの感染拡大により、調査・研究が当初の計画通りに進まなかったが、苦しい状況下であっても令和2年度の研究実績として以下の4点が公刊された。 谷本奈穂「美容整形は個人的なことか?――身体の社会学、言説、テキストマイニング」、石田佐恵子他編『基礎ゼミ メディアスタディーズ』、世界思想社、2020年4月。(「女性の身体に対する政治的・医療的介入」をめぐる論考。美容整形をする女性たちにとって、雑誌やSNSといった新旧メディアがどのような動機づけになっているかについて調査したもの。) 谷本奈穂「主婦規範と女性のネットワーク:嗜好品としてのサプリメント」、小林盾編『嗜好品の社会学――統計とインタビューからのアプローチ』、東京大学出版会、2020年12月。(「女性の身体に対する政治的・医療的介入」をめぐる論考。美容系のサプリメントを摂取する人々に調査を行い、特に女性たちに「美容縁」とも呼ぶべきネットワークがあることを指摘した。) 関嘉寛「東日本大震災とボランティア」、『都市問題』112巻3号、後藤・安田記念東京都市研究所、2021年3月。(「災害時に立ち上がる公共性」をめぐる論考。東日本大震災時のボランティア活動が被災地での継続的な活動により、被災者の日常性の回復のきっかけを作り出し復興の後押しをしたことを分析した。) 久保賢志・沖口誠・西山哲郎「地域のスポーツ文化に資するオリンピアンによるスポーツ教室に関する報告」、『人間健康学研究』14号、2021年3月。(著者のうち西山が本研究組織のメンバー。体育スポーツ教育における規律と主体性を育てる指導に関連する研究。トップアスリートのセカンドキャリアを後押しすると同時に、保健体育教員の指導スキル向上を目的とした、中学生対象のスポーツ教室に関する調査にもとづく。)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究期間の1年目であった令和2年度は新型コロナウイルスの感染拡大にともない、研究計画に従って研究を思うように進められなかった。第一に研究組織のどのメンバーも、オンライン授業への対応を迫られ、本務校でのコロナウイルス対策に追われることとなったため、研究のエフォートを十分に本研究課題に割り振ることができなかったこと、第二に移動(出張)や他者との接触についての制約が大きく、現地調査を一切実施できなかったこと、これら2つの条件がスケジュールの遅れにつながった。結果として令和2年度は十分な研究成果を上げられなかった。 その中でも、オンライン会議システム(Zoom)を利用した研究会を5月から3月まで毎月1回、計11回実施し、身体論や情動理論に関する問題意識と共通理解を深め、研究計画の進捗について話し合うことを通じて、研究課題に関する検討を続けてきた。 令和2年度に論文等として発表することができなかった研究内容については、令和3年度にさまざまな形で公表する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度も毎月1回のペースでオンラインの研究会を進めていく予定である。コロナ禍の令和2年度に十分な研究が行えなかったという事情から、令和3年度および令和4年度に予定していた学会報告についてもスケジュールを見直すこととする。 また、新型コロナウイルスの感染が収束しないうちは、高齢者の多い地域での調査や外国での調査・研究発表は控えるべきだという考えもあり、現地調査や外国での調査については今年度中に実施するかどうかをあらためて検討する。 これらの検討をふまえながらも、インターネットによる調査や文献による研究を最大限に活用し、研究テーマの変更はせずに今後の研究計画を進めることとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により令和2年度は出張をともなう研究会や現地調査を実施することができず、旅費をまったく使用しない結果となった。また、各メンバーが本務校において新型コロナウイルス感染対策や授業のオンライン対応などに追われ、文献を利用した研究もなかなか進まない状況であった。 令和3年度に出張が可能になれば、研究計画の遅れを取り戻していく予定である。
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