研究課題/領域番号 |
20K02169
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研究機関 | 学習院女子大学 |
研究代表者 |
時安 邦治 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 教授 (80386797)
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研究分担者 |
西山 哲郎 関西大学, 人間健康学部, 教授 (10263188)
宮本 真也 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任教授 (30386429)
関 嘉寛 関西学院大学, 社会学部, 教授 (30314347)
谷本 奈穂 関西大学, 総合情報学部, 教授 (90351494)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 情動 / 身体 / 公共性 / ヴァルネラビリティ / 災害ボランティア / SNS / 美容整形 / 体罰 |
研究実績の概要 |
2022年度は、研究期間全体の集大成として、研究組織のメンバー全員が第95回日本社会学会大会において統一テーマで研究発表を行った(10月)。時安邦治「B. S. ターナーにおけるヴァルネラビリティと人権――情動・身体・公共性(1)」は、人間の身体的な弱さが人権という公共性の基礎につながる可能性を理論的に考察した。関嘉寛「災害復興における情動と公共性――情動・身体・公共性(2)」は、災害ボランティアにおける情動をともなう交流が公共性につながる可能性を事例を通じて論じた。宮本真也「情動と理由のアリーナとしての公共圏――情動・身体・公共性(3)」は、SNSの現状をふまえて、理性的熟議を重視する従来の公共圏理論の偏りを指摘し、情動と主観性の復権を目指す理論の可能性を指摘する一方、その危険性にも言及した。谷本奈穂「美容をめぐるコミュニケーション――情動・身体・公共性(4)」は、インターネットの質問紙調査をふまえ、美容整形のような美容実践が女性観の競争を煽るよりは、女性同士のコミュニケーションと協力的な関係性を生み出していることを示した。西山哲郎「スポーツでの体罰指導を支える「感情の共同体」――情動・身体・公共性(5)」は、現代社会において分断をもたらす情動のメカニズムが顕著に現れる例として、スポーツの場での体罰指導に注目し、情動を偏ったかたちで積極活用する「感情の共同体」の存在を明らかにした。 また、前年度までにコロナ禍により十分な調査が行えなかったためにオーストラリアのメルボルンでの国際社会学会でのグループでの発表は断念したが、その代わりに、ドイツのゲーテ大学フランクフルトにて、11月に研究交流を兼ねて“Affect, Body and Publicness: Japan Today”と題したワークショップを開催し、研究組織のメンバー全員がそれぞれ発表を行った。
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