研究課題/領域番号 |
20K02178
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
鶴田 潤 東京医科歯科大学, 統合教育機構, 准教授 (70345304)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ノーマライゼーション |
研究実績の概要 |
2021年度においても前年度から引き続きの全国的な緊急事態宣言の発出により、本研究課題の基本条件となる一般市民の飲食・旅行や人との対面交流機会について、2020年から引き続き平時と比べ大きく制限されてきたことから、予定研究内容の実施時期を後ろ倒しとしてきている。2021年度実績としては、日本社会福祉学会第69回秋季大会へ参加し関連情報の収集を実施した。医療保健・児童家庭福祉・障害者福祉・高齢者福祉などのの観点での発表セッションの中、顎口腔領域の観点からの発表・報告は認められない状況であった。この状況から、医療保健、福祉の観点での顎口腔領域に関する扱いの基盤について調査を行う目的で、障害の分類に関しての文献調査を進めた。障害分類については、「視覚障害」、「聴覚・平衡機能障害」、「音声・言語・そしゃく機能障害」、「肢体不自由」、「内臓機能などの疾患による内部障害」が障害認定基準(障害年金受給の基準、障害手当金)の観点から設定されており、「そしゃく・嚥下機能障害」においては、2級・3級・障害手当金の分類がなされている。本研究で扱う内容となる、義歯利用や一般的歯科診療の対象となる疾患の程度については、医療保健制度の運用での「障害」の概念に含まれるものはない状況である。口腔領域において障害と認識される程度に関しては、かなり重度の機能障害が該当しており、ノーマライゼーション・ユニバーサルフリーの観点での調査を進めるにあたり、一般的な歯科治療を受療する患者が社会的な生活を送る上では、日常生活が著しい制限を受けるものではない状況であるものの、それら疾病が社会生活を送る上での慢性的な障壁となりうるという点について分析を行う必要性があると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度においても前年度から引き続きの全国的な緊急事態宣言の発出により、本研究課題の基本条件となる一般市民の飲食・旅行や人との対面交流機会について、2年間にわたり平時と比べ大きく制限されてきたことにより、仮説として設定された対人コミュニケーション障壁に関する市民の意識については、平時と異なるものとなっていたものと想定された。調査対象者の状況を鑑み、2021年度についても、基礎的な調査を進めることとし、研究計画当初の進捗からは、大幅に遅れることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍における行動制限については、社会的に緩和方向での実施が認められてきていることより、当初2019年時に想定していたの社会環境下に戻りつつあることを前提としつつも、異なる環境要因のもとのでの調査として研究を進める。 諸外国においては、すでに行動制限が解かれている実情を踏まえ、同調査についても、当初予定通りの実施を行う。今後、緊急事態宣言の再発令など、改めて行動制限が課される場合には、その状況下での調査として扱うこととし、調査そのものを優先実施することとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度については、機関の決定から出張ができないことや研究進捗が予定より遅れてたことから、実施予定の内容が変更され、アンケート調査の実施が遅れたこと、出張調査などの旅費の利用がなかったことから、次年度使用額が生じた。2022年度については、旅費(出張調査・学会参加費用)およびアンケート実施・分析費用・研究打ち合わせ費用、論文投稿費用として、当該予算を使用する計画である。
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