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2020 年度 実施状況報告書

エイジング・イン・プレイス政策におけるインフォーマル・ケアの制度化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K02186
研究機関県立広島大学

研究代表者

湯川 順子  県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 助教 (80709642)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードオランダ / エイジング・イン・プレイス / インフォーマル・ケア
研究実績の概要

本研究は,社会支援法のもとでインフォーマル・ケアを制度に組みこむことによってエイジング・イン・プレイスの実現を目指しているオランダの政策について,現状と課題を明らかにすることである英人・イン・プレイスは長期ケアに関わる財政の抑制および高齢者の尊厳を同時に達成しようとする政策である。
研究方法は,政策担当者や高齢者を含むインフォーマル・ケアの提供者など関係者へのインタビューと文献研究,既存統計の2次分析である。
令和2年度は,新型コロナ感染症の拡大によって,オランダを訪問してのインタビュー調査が出来なかったため,文献研究を行った。
オランダはヨーロッパ諸国の中でオランダは施設ケアを特徴としている。高齢化率は20%に満たないものの右肩上がりであり,長期ケアの費用をいかに抑えるかが大きな政治的課題となっている。オランダでは2015年に社会支援法(Wet Maatschappelijke Ondersteuning,Social care act)を改正し,基礎自治体の責任と権限による在宅ケアの推進,インフォーマル・ケアの拡大を進め,「施設大国」から「市民参加型の福祉」への転換をはかろうとしている。OECDやオランダ統計局の資料によると,高齢化率の伸びにもかかわらず,オランダの対DGP保健医療支出は低下している。
また,高齢者の施設入所は減っている。しかし,長期ケアの大部分は公的資金によるもので,他のヨーロッパ諸国と比較して長期ケアに対して寛大で,オーダーメイドサービス提供の失敗,サービス量の減少に対するクライエントの異議申し立て,個人予算の支払いの遅れなどが現れているという指摘もみられる。改革の評価については定まっているとはいえない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症拡大のため,オランダでの現地調査の具体的な計画が立たたず,2020年度は文献調査のみを行ったため。

今後の研究の推進方策

令和3年度は,オランダの社会支援法のもとでの基礎自治体のインフォーマル・ケア拡大の取り組みについて,基礎自治体の政策担当者へのインタビューを計画している。ただし,昨年度同様,新型コロナウイルスの感染状況によっては現地訪問ができない可能性がある。現地訪問がかなわない場合は,現地のコーディネーターを通して,基礎自治体に対する情報収集を行うとともに,オンラインでのインタビューも検討する。
令和4年度は,インフォーマル・ケアを活用して地域で生活している高齢者へのインタビュー調査を計画している。具体的には,インフォーマル・ケアの具体的な拡大策として,イギリスの実践をモデルに取り組まれているアムステルダム市の社会的処方箋に関して,市の担当者より支援を受けた経験のある高齢者を紹介してもらい,セルフ・ケアの視点からのインタビューを行いたい。また,高齢者が家族によるケアを受けている場合は,家族に対するインタビューを依頼する。
また,インフォーマル・ケアの支援団体(NPO等)を通して,インフォーマル・ケア提供者である地域のボランティアへのインタビュー調査を行う。

次年度使用額が生じた理由

令和2年度は,新型コロナ感染症の世界的拡大により,オランダでのインタビューの見込みが立たず,インターネットを利用して文献研究を行ったため,使用額がゼロであった。そのため,現地への訪問回数を減らし,滞在日数を調整してインタビューを計画している。

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公開日: 2021-12-27  

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