研究課題/領域番号 |
20K02206
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
佐々木 宏 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (50322780)
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研究分担者 |
村澤 和多里 札幌学院大学, 心理学部, 教授 (80383090)
村澤 真保呂 龍谷大学, 社会学部, 教授 (80351336)
山尾 貴則 作新学院大学, 人間文化学部, 教授 (80343028)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 若者の自立 |
研究実績の概要 |
研究初年度である2020年度は、当初予定していた海外現地調査が実施できないという条件のもと、二回のオンライン(リモート)形式の研究会を開き、インド、フランス、日本、韓国、4か国の若者の自立困難の現状と背景、その困難が若者のメンタル面やアイデンティティ等に与えている影響等について検討をした。
第1回目の研究会は2020年7月にオンライン形式で開催した。この場では、研究代表(佐々木宏)が、本研究全体の課題や研究計画等についてあらためて説明をしたうえで、現代インドの「雇用なき成長」下での若者の就職難の現状について、これまでのフィールド調査の結果をふまえて報告をした。報告の具体的内容は、佐々木が北インドの地方都市Varanasiにおいて、2015年~2020年の間、すすめてきた中高等教育を修了した若者たちの就職活動にかんする縦断的聞き取り調査の結果である。
第2回目の研究会は2021年3月にオンライン形式で開催した。この場では、インド研究班(佐々木宏)がインドの自殺統計からうかがえる若者の困難について、日本研究班(村澤和多里)が日本の摂食障害および自傷行為にかんする研究動向からうかがえる若者の現状についての報告をした。前者はインド警察がとりまとめた自殺統計から若者(15-29歳)の自殺のデータを取り出し、地域別・時系列的なトレンドや若者の自殺理由の特徴等を明らかにしたものである。後者は現代日本の若者の自立をめぐる課題として「摂食障害」「自傷行為」「依存」を事例にしつつ、先行研究のレビューという方法を通じて、これらの課題がいつ頃、どのように顕在化したのかを明らかにしたものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究の課題遂行のためには、インド、フランス、日本、韓国の各国での現地調査の実施が不可欠である。しかし、2020年度はコロナ禍のため、海外渡航はもちろん日本国内での調査活動がほぼできない状態におかれ、計画が著しく遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍による現地調査の制限は2021年度中も当面続くと思われる。そこで、現地調査が実施できない状態でもできること、たとえば各国の若者や若者政策の現状をめぐる統計資料、先行研究、公文書等の分析を2020年度に引き続きすすめる予定である。むろん、現地調査が可能になった場合は、それを速やかにかつ積極的にすすめていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により現地調査の実施や国内研究会が不可能になったがゆえに、当初の予算執行計画の大部分を占めていた旅費の執行ができなかったことが、次年度使用額が生じた理由である。繰り越した予算は、2021年以降、コロナ禍の情勢を見定めつつ、現地調査や研究会の実施に必要となる旅費や物品費等に充てていく予定である。
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