研究課題/領域番号 |
20K02207
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田北 雅裕 九州大学, 人間環境学研究院, 講師 (20551550)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 養育里親 / 里親ショートステイ / 社会的養育 / 協働養育 |
研究実績の概要 |
2016年の児童福祉法改正を経て示された「社会的養育ビジョン(2017)」以降、国内において社会的養育を支える子育て支援サービスおよびその多様化が進んでおり、特に近年での変化がめまぐるしい。例えば、調査対象のひとつである福岡市においては、本研究で調査に取り組んできた家庭環境において子どもを短期間預かる「里親ショートステイ事業」の拡充だけでなく、本年度より、親子を共に支える「親子支援里親(ショートステイ事業も含む)」のモデル構築を目指して、養育里親募集が開始された。また、児童養護施設および乳児院、母子生活支援施設においては「親子ショートステイ事業」や親子の関係構築をサポートする通所プログラムが開始されるなど、子どもから親子へと包括的なサービス展開が見られ始めた。そうした背景を踏まえ、本年度は、家庭環境にて親子を支える短期預かりサービスの国内外の実態と今後のあり方を探るべく、2月に福岡市主催にてフォーラムが開かれ、企画者およびコーディネーターとして参加した。その中で、フィンランドにおける親子支援里親の実態報告や福岡市における親子支援の取組み、新宿区の協力家庭を活用した「親子ショートステイ事業」について共有すると共に、子ども支援から親子支援へと変化に至るサービス構造を図解化し、発表することができ、子どものパーマネンシーを目指した親子を支える里親家庭のあり方について、約140名の参加者と共に深めることができた。また、3月の第101回日本生理学会大会において「社会で子どもを育てること-里親家庭で支える子どもと家族-」というタイトルで研究成果の発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19の影響で海外渡航が困難となった一方で、国内事例の多様化にあわせて実態調査が進み、その分析が充実してきたため。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19の影響で海外渡航が困難となった一方で、国内事例の多様化にあわせて実態調査が進み、その分析が充実してきたことから、国内における協働養育システムの整理・構造化に重きを置きながら、海外事例においては文献調査・オンライン調査に取り組んできた。次年度もさらに国内外の追加調査を進め、今までの研究成果を取りまとめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により国外の現地渡航を見送ったことが、次年度使用額が生じた主な理由である。次年度は、国内における協働養育システムの整理・構造化に重きを置きながら、海外事例においては文献・オンライン調査を進め、その調査結果を分析・取りまとめるための人件費等に支出する予定である。
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