研究課題/領域番号 |
20K02215
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
藤本 優 大妻女子大学, 人間関係学部, 助教 (80849399)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 農福連携 / 障害者就労継続支援事業 / プログラム評価 |
研究実績の概要 |
昨年度、各地域の農福連携の取り組みをまとめ、暫定版のプログラムモデルを作成した。 暫定版プログラムモデルでは、インパクト理論として障害者就労継続支援事業所が農福連携に取り組む際の成果の流れについて、これまでの先行研究からまとめた。その結果、就労継続支援事業が農福連携に取り組む場合、地域の農業の活性化から障害者も地域住民も地域での生活を楽しめるようになることを目標としていることが明らかになった。 また、暫定版プログラムモデルでは、農家、障害者、製品の変化の過程をたどることで上記目標が達成される可能性があることが明らかになった。また、これらの変化を促すための具体的な活動については、農家への働きかけ、障害者への働きかけ、販売及び品質向上への働きかけとして、明らかになった。 特に、就労継続支援事業で取り組む際には、販売及び品質の向上への働きかけがネックになっており、多様な障害を持つ利用者と一定の品質を保つ商品をどのように市場へ出していくのかという点で、ここへの取り組みが重要であることが示唆された。 施設内、施設外含めてどのような連携をとりつつ農福連携に取り組んでいくのかということを組織計画(支援体制の図)としてまとめた。組織計画では、就労継続支援事業所が、農業を実践する際の窓口や取りまとめ、連携先などを明らかにした。その結果、窓口や取りまとめを行う機能をもつ施設があることで、就労継続支援事業において農業による収益が可能となる事業を行うことができる可能性があることが示唆された。その窓口や取りまとめについての機能は、地域によって様々な主体が担っており、窓口業務だけではなく、農福連携における相談・支援や農家への働きかけなどを行っていることも明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度、体調不良により研究の進行が難しく暫定版プログラムモデルの完成までしかできなかった
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今後の研究の推進方策 |
暫定版プログラムモデルを活用して、就労継続支援事業で農業を行っている施設に、聞き取り調査を実施する。 研究計画では、聞き取り後のワークショップを予定していたが、昨年度聞き取り調査を実施できずにいたため、今年度の実施とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
一昨年度、昨年度と感染症、体調不良による研究実施の遅れにより調査が進んでおらず研究計画が大幅に遅れているため、次年度使用額が生じている。 今年度、インタビュー調査を実施後、次年度に調査協力者とのワークショップを実施予定。ワークショップでは、インタビュー調査によって作成したプログラムモデルをさらに改訂することを目的として実施する。特に、作成したモデルを各地域の就労継続支援事業者が実施するための具体的活動について記された「効果的援助要素」を作成することを目的とする。効果的援助要素の作成には、フォーカスグループインタビューを実施することを予定としている。また、調査協力者の数人には自施設の農福連携の事例について話していただく時間を設け、次のステップの調査への参加者を募ることも目的とする。
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