本研究は、農業分野での障害者の社会参画を目指した「農福連携」の効果的プログラムモデルを作成することを目的として実施した。 農福連携には、その事業の特徴から、地域にその効果を波及させることで、地域活性化を見込める事業の一つであると考えられているが、その方法や目的、何をゴールとして活動を実施するのかについて明らかになっていなかった。 そこで、本研究において、障害者就労継続支援B型事業の中で農業を実施している事業所の活動内容やその目的を明らかにすることによって、文献レビュー及び、すでに農業に取り組み、先進的な取り組みを実施している事業所に聞き取り調査を実施し、①障害者就労継続支援B型事業による農福連携のゴール②ゴールを達成するための組織体制③ゴールを達成するための過程④そのための具体的な活動内容の4つを明らかにし、障害者就労継続支援B型事業での農福連携のゴールは「農業を通した誰もが住みやすい地域をつくる」ことであることが明らかになった。さらに、そのゴールを達成するためには、地域(農家)、障害者、商品への3つのアプローチが重要であること、さらに、それらの具体的なアプローチために、事業所の職員が実施すべき項目として6領域、30項目、188の支援要素を抽出した。これらの結果について、聞き取り調査を実施した関係者に参集していただき、内容を確認してもらい、自らの発言が間違っていないか、内容について確認していただき、合意を得た。
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