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2023 年度 実施状況報告書

児童福祉施設入所児童を対象とした体験的性教育プログラムの開発と効果検証

研究課題

研究課題/領域番号 20K02216
研究機関杏林大学

研究代表者

石川 智  杏林大学, 保健学部, 講師 (70580562)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード心的境界 / 文献調査 / 対人距離のワーク / 性教育委員会
研究実績の概要

本研究では、心的境界を扱った性教育プログラムの有効性を検証することにより、よりよい支援につなげることを目的としている。今年度は心的境界の文献検討を実施し、整理を試みた。
社会的養護の領域で言及されるバウンダリー概念は、主に以下の4領域に由来すると考えられた。①パーソナルスペース研究(Sommer,1972; Hall,1966):身体を取り囲む占有空間で自我の延長でもある。1960年代より環境心理学、社会心理学的観点から研究されてきた。②精神分析における「自我境界」(Federn,1952):自と他との間の境界であり、統合失調症者の精神病理を自我境界形成不全として理解した(児玉,2008)。また、乳幼児の発達過程で自我意識が分化し親の自我意識との境界が確立される(小此木,2002)。③家族構造療法における「境界線」(Minuchin,1974):家族の相互作用の過程で、どのメンバーがどのような仕方で参加できるかの規約とされ、硬い/柔らかい、あいまい/開放的/閉鎖的などの特徴がある(遊佐,1984)。④アサーショントレーニング:アサーティブな自己表現により自身の境界線を他者に伝えられる(Alberti&Emmons,1970)。また、自己表現という外的スキル学習から、自尊感情や人権といった内的感覚を育てられる(園田,2014)。これらの概念の体系化が入所児童の健康な性・対人関係を含んだ心の発達を視野に入れたプログラム開発につながると考えられた。
また、児童養護施設で体験的性教育を実施していくにあたって中心となっている組織である、性教育委員会についての検討をもとに、性教育委員会を中心とした性教育の実施状況についての調査の準備を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ渦は収束しつつあるが、当初の遅れを取り戻すほど進められたわけではなかったため、全体の進捗はやや遅れた状態が続いている面がある。また一方で、文献の検討から、実施しようとしていた質問紙の位置づけを整理し、他の質問紙などを探す作業などを行うことにも時間を使うこととなった。

今後の研究の推進方策

文献検討について、整理した内容の雑誌投稿を目指す。また、施設における性教育の実施状況についての調査を実施する。

次年度使用額が生じた理由

以前の年度の研究の進捗において、コロナ渦が影響し、研究期間の延長をすることとなった。24年度は、調査の実施を計画しており、そのための諸経費を計上する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 「バウンダリー(境界線)」に関する文献検討からみる社会的養護における性・生教育への示唆2023

    • 著者名/発表者名
      石川智、水木理恵
    • 学会等名
      日本子ども虐待防止学会第29回しが大会

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公開日: 2024-12-25  

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