研究課題/領域番号 |
20K02232
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
呑海 沙織 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (60523173)
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研究分担者 |
溝上 智惠子 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (40283030)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 図書館サービス / 認知症支援 |
研究実績の概要 |
本研究「認知症の人の家族のための知識情報マッチングシステム構築」では,認知症の人の家族と,彼らが必要とする知識情報をマッチングするシステムを構築することを目的とする。研究課題は,(1)認知症の人の家族の認知症に関する知識情報ニーズの解明,(2)認知症に関する知識情報の内容分析指標の作成,(3)認知症に関する知識情報マッチングシステムの構築と評価である。 研究課題(1)および(2)については、第1年度である2020年度および第2年度である2021年度において、質問紙調査を実施することによって認知症の人の家族の認知症に関する知識情報ニーズの解明を行うとともに、認知症に関する知識情報の内容分析指標を作成することで達成した。課題研究(3)については、第3年度である2022年度において、「認知症の人の家族の人のための知識情報マッチングシステム」を構築した。この知識情報マッチングシステムは,認知症の人の家族の知識情報ニーズと,認知症に関する本をマッチングするものである。認知症に関する適切な知識情報は,認知症に付随する現実の受け取り方や,認知症のとらえ方に働きかけ,ストレスを軽減することができると考えられる。認知症について書かれた本(実用書,専門書)および認知症を題材にした本(絵本,小説,体験記)の書誌データを取り込み、各書誌データに対して評価者による内容分析指標に沿った本の内容分析結果を共有できるように設計した。認知症の人の家族が,効果的・効率的に知識情報を得ることができるようなデザインの構築を目指したものの、コロナ禍による行動制限のため、当該システムを評価し、これをシステムにフィードバックすることができなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は、2021年度に実施した認知症に関する知識情報の内容分析指標案(知識情報指標と感情的効果指標)の評価および,認知症に関する知識情報マッチングシステムのデザイン設計に基づいて、当該知識情報マッチングシステムを構築した。しかし、コロナ禍による行動制限のため、当該システムを評価し、これをシステムにフィードバックするところまで至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度についてはコロナ禍による行動制限のため、構築した認知症に関する知識情報マッチングシステムを評価し、これをシステムにフィードバックすることができなかったが、新型コロナウイルスの5類感染症移行に伴い、評価及びフィードバックの段階に進められると想定している。調査協力者の環境により協力を得られない場合は、新たに調査協力者を募り研究を遂行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度についてはコロナ禍による行動制限のため、構築した認知症に関する知識情報マッチングシステムを評価し、これをシステムにフィードバックすることができなかったことが大きな要因である。新型コロナウイルスの5類感染症移行に伴い、評価及びフィードバックの段階に進められると想定しているため、調査協力者を募り、当該システムの評価を行うとともに、評価結果をもとにシステムを改善する。
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