研究課題/領域番号 |
20K02247
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研究機関 | 大正大学 |
研究代表者 |
坂本 智代枝 大正大学, 社会共生学部, 教授 (00317645)
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研究分担者 |
栄 セツコ 桃山学院大学, 社会学部, 教授 (40319596)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 障害者 / アドボカシー / ピアアドボカシー / ピアサポート |
研究実績の概要 |
国内外において未だ明らかになっていない障害当事者が行うアドボカシーの機能と役割を明らかにすることである。精神障害当事者が行うアドボカシー(ピアアドボカシー)は北米をはじめ先駆的な実践は20年以上の蓄積があるものの、障害当事者が行うアドボカシーについては、具体的な機能や役割等に関する研究は未開拓である。そこで、先駆的な精神障害当事者が行うアドボカシー(ピアアドボカシー)の調査研究を踏まえて機能や役割と支援プロセスとを明らかにしてきたことから他の障害当事者にも応用可能にしていくことを目的に、対象者を拡げて障害当事者のアドボカシー研修プログラムとマニュアルを開発することである。 2017年度から3年間の研究(JSPS17K04248 科研費助成金)において、研修プログラムのテキスト及びマニュアルの開発を行った。そこで、本研究の目的は①明確になった精神障害当事者が行うアドボカシーの機能と役割をもとに、高次機能障害や難病を含む身体障害及び知的障害等の障害者に広げて障害当事者が行うアドボカシーの研修プログラムの開発を行い、②障害当事者と協働して研修プログラムを実施し評価することである。さらに、③障害当事者が行うアドボカシーの研修プログラムの普及に向けたシステムを構築することである。 今年度は、難病を含む身体障害、高次脳機能障害、発達障害、及びひきこもりのある人の当事者団体の方々5名にインタビュー調査を実施し、グラウンデッドセオリーアプローチを用いて分析を行った(大正大学倫理審査委員会承認番号21-29号)。分析結果からミクロレベルではセルフアドボカシ―の促進、メゾレベルではブリッジャー(橋渡し)、マクロレベルでは政策への提言などのピアアドボカシーの機能と役割の特徴が明らかになった。 さらに、研究協力者及び研究分担者とオンライン及び対面において研究会を2回実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染の影響と大学の学事日程の変更により、インタビュー調査やガイドブックの作成が年度後半に繰り下がったことから、予定していた人数の半数のインタビュー調査の実施に留まったことである。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、5名の難病を含む身体障害、高次脳機能障害、発達障害、及びひきこもりのある人の当事者団体の方々にインタビューを実施した。2022年度も、引き続き研究計画の通り障害のある人の当事者団体の活動を行っている人に15名程度のインタビュー調査を実施する予定である。さらに、研究分担者と高次機能障害や難病を含む身体障害等の障害当事者等の研究協力者と研究会を3回実施し、障害当事者が行うアドボカシーの研修プログラムの開発に向けたガイドブックを作成し、研修会を2回実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
引き続き研究計画の通り15名程度のインタビュー調査を実施する予定である。さらに、研究分担者と高次機能障害や難病を含む身体障害等の障害当事者の研究協力者とで研究会を3回実施し、障害当事者が行うアドボカシーの研修プログラムの開発に向けたガイドブックを作成し、研修会を2回実施する予定である。国際シンポジウムを予定していたが、コロナ感染により今年度は行わず、その代わりに最終年度に向けて今年度は準備を行う。インタビューの謝金及びテープ起こし、研究会の会議費及び謝金、研修ガイドブックの製作費及び研修会に係る謝金等を計上した。研修会はコロナ感染対策から、オンラインで実施する予定から、設備費としてパソコンを計上した。
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