研究課題/領域番号 |
20K02248
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
辰田 和佳子 日本大学, スポーツ科学部, 准教授 (20455447)
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研究分担者 |
稲山 貴代 長野県立大学, 健康発達学部, 教授 (50203211)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 視覚障がい者 / 身体活動 / MVPA / 自己効力感 |
研究実績の概要 |
障がい者のQOLの向上には,健康づくりの視点での取り組みが必要である.身体活動を高めることは,体力や健康を増進し,外出の機会を増やし,活動的な社会参加を促し,QOLの向上を促す可能性がある.しかし,これまで成人期の視覚障がい者の健康づくりに関するエビデンスは十分に得られていない.本研究では,当該集団のヘルスプロモーションンに向けたガイド作成し,有効性を検討することを目的とした. 本年度はガイド作成のために,身体活動量の実態および身体活動と健康やQOLとの関連,身体活動の促進と関連する要因について健康行動科学理論に基づき多面的に検討し,明らかにすることを目的とした. しかし,新型コロナウイルス感染拡大予防に配慮し,新規の調査実施を控えたためデータ収集ができなかったことから,申請者が過去に実施したこの研究につながる調査のデータを本研究の目的に合わせ再解析した.身体活動,特に中高強度の身体活動(MVPA)について確認した結果,(1)65歳未満の対象者のうち,推奨量であるMVPA60分を達成していた者は30%に満たず,65歳以上ではMVPA30分を達成していた者は約半数であったことが明らかになった.さらにMVPAを従属変数,知識,自己効力感(SE)などの個人内要因や行動を独立変数として解析した結果,(2)MVPAはPAに対する自己効力感,行動,主観的歩行速度,運動習慣と有意に関連していること,が明らかになった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度はインタビュー方式による質問調査及び加速度計による活動量評価を予定していた.しかし,新型コロナウイルス感染症拡大防止のために,障がい者スポーツセンターの休館や利用制限,ガイドヘルパー支援利用機会の減少など,日常の身体活動の変化を余儀なくされた.そのため,当初予定していた身体活動量調査測定を含めた調査について見直しを図っている.これまでに検討できていない身体活動に関連することが予測される心理的社会要因や環境要因についてのデータの収集等,1年遅れで調査を実施する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
今後,調査実施方法を修正し,当初予定していた次年度の大規模な社会調査に主観的な身体活動実施状況,身体活動に関する心理的社会要因や環境要因を追加し,データを収集する.これら計画の見直しには,協働で調査を実施する日本視覚障害者連合との連携が必要であることから,密な情報交換やディスカッションを進めていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度予定していた測定ができず,見直しを図っているため.
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