本研究の目的は、カンボジアにおける貧困層の親の出稼ぎ移動によって子どもにもたらされる影響と社会的保護の関係を分析することにあった。研究成果からみえたことは、親の移住労働の負の要素が子どもに強く現れ出る世帯には、いくつかの点が指摘できた。それは、集落や居住地域内の社会的ネットワークが乏しく社会関係資本へのアクセスが極めて低い状況や、兄弟姉妹の養育の為に年長女児の修学機会に影響を及ぼす実態、さらには、成人養育者の不在による子どもの不安定な保護状況の関係などが指摘される。したがって、「子どものWell-beingと子どもの社会的保護の状況は相関関係」にあると結論づけることができる。
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