研究課題/領域番号 |
20K02275
|
研究機関 | 淑徳大学 |
研究代表者 |
松尾 加奈 淑徳大学, その他部局等, 准教授 (60727478)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | インディジナスな知 / 国際ソーシャルワーク / 現地化 / ソーシャルワーク専門職によらない支え合い |
研究実績の概要 |
本研究はフィジー共和国を対象として、ソーシャルワーク教育を受けていない人々の支え合いによる活動事例(indigenous social work)を収集し、西欧ルーツのソーシャルワーク専門職教育によったソーシャルワーク(indegenized social work)との移動と効果を分析し、ソーシャルワークの定義を専門職の枠組みから拡張する基礎資料となす事を目的としている。2021年度はコロナ禍によりフィジー渡航による現地調査、現地協力者との共同調査が実施できなかったものの、所属するアジア国際社会福祉研究所によるタイ、ブータン、スリランカ、ベトナムの仏教ソーシャルワーク・ネットワークの研究者たちとの国際共同研究「“Social Work Needs” and Service Providers:To whom people seek for help when no social workers("ソーシャルワークが必要なとき”とサービス提供者:人々は誰に支援を求めるのか?通称「どこ行く?調査」)の研究報告会の運営及び、第6回淑徳大学アジア国際社会福祉研究所国際学術フォーラム「What Is the International Social Work with the Globalized States-Social Work? (グローバル化する国内福祉にあって何が国際ソーシャルワークなのか?)の企画運営をリードした。前者はソーシャルワーク専門職だけではない地域の支え合いの活動事例の調査であり、後者は本研究の軸である国際ソーシャルワーク(社会福祉)研究をグローバリゼーションの視点で捉え直すフォーラム企画であった。また、日本国内でのソーシャルワーク専門職以外の人々による支え合い活動調査に参加するなど、海外渡航による現地調査が難しい中でICT技術をフル活用した研究となった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度もコロナ禍が続き12月までフィジー渡航の計画ができなかった。12月に渡航再開したものの現地は夏期休暇期間により現地協力者との共同作業ができなかった。また所属するアジア国際社会福祉研究所の人員移動に伴う職務体制の変更、所長補佐業務の負荷並びに研究所研究業務の負担増により、自分自身の研究活動が十分に進まなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
渡航制限が緩和したため、現地協力者と協議を再開する。フィジーへの調査準備を進めるとともに、日本のソーシャルワークにおける「インディジナス」の整理をする。また、国際ソーシャルワーク(社会福祉)研究の論点整理を実施し報告書を作成する。「どこ行く?調査」について報告書を作成し出版する。フィジーのインディジナス・ソーシャルワーク調査という本研究の主題を支える二つの報告書により、国際ソーシャルワーク研究の可能性を可視化し最終報告書とする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍でフィジー共和国への渡航ができず書籍・資料収集による支出であった。2022年度はフィジーでの現地調査を実施する他、報告書の作成及び発表を計画している。
|
備考 |
松尾加奈、佐々木綾子、石川美絵子、長廻芳行、木下大生、空閑浩人、藤森雄介、「コロナ禍が炙り出すグローバル化した地域とソーシャルワーク」、『日本ソーシャルワーク教育学校連盟 第 50 回全国社会福祉教育セミナー2021』、2021年(分科会企画・コーディネータ)
|