本研究は開始直前から広がったコロナ禍により、研究計画の変更を余儀なくされたが無事終了することができた。初年度から2021年度までは、所属するアジア国際社会福祉研究所が毎年企画実施している国際学術フォーラムと、アジア4カ国(タイ、ブータン、スリランカ、ベトナム)の仏教ソーシャルワーク研究ネットワークの研究者たちとの共同研究「”Social Work Needs” and Service Providers: To whom people seek for help when no social workers 」の研究報告会の企画・運営と報告書を作成、発表した。2022年フィジー渡航が可能になり、11月スバ市でローカルNGO「エンパワー・パシフィック」のソーシャルワーカーと南太平洋大学(USP)と面会した。また、USP図書館に所蔵されているコレクションでフィジーのソーシャルワーク教育発足に向け開催していた研修の記録について文献調査を行った。最終年度で、フィジー共和国スバ市とラウトカ市を訪問、JICAフィジー事務所、国営高齢者ケア施設「ゴールデン・エイジ・サマンブラ」、ローカルNGO「パシフィック・リサイクル・ファウンデーション(RPF)」のヒアリング、ソーシャルワーク系のローカルNGO「エンパワー・パシフィック」でのワークショップを開催した。また、11月にフィリピン・セブで開催されたアジア太平洋地域ソーシャルワーク会議(IFSW(AP)/APASWE共催)で、と題して口頭発表を行った。フィジーを舞台にインディジナス・ソーシャルワークの研究を進める予定だったが、コロナ禍により、ICTを活用して研究成果発表、ワークショップや執筆などを進めることができ本研究テーマを補完できた。2024年度に本研究の分析と、日本語での報告の準備を進めている。
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