研究課題/領域番号 |
20K02285
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研究機関 | 西南学院大学 |
研究代表者 |
山本 佳代子 西南学院大学, 人間科学部, 教授 (00364125)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 敏感な子ども / HSC / 保育所 / 保育士 |
研究実績の概要 |
本研究は敏感性の高い子ども(Highly Sensitive Child:以下、HSC)の支援にかかわる保育所保育士のソーシャルワークコンピテンシーを見出し、HSC支援のためのコンピテンシーモデルを構築することを目的としている。HSCに対する支援の必要性は国内外で注目されているが、我が国では乳幼児期のHSCに関する実態解明や適切な発達支援についての言及は十分になされていない現状にある。 令和5年度(研究4年目)までに、HSCに関する文献研究、保育所保育士を対象としたインタビュー調査および約170施設の保育所保育士を対象に質問紙調査を実施した。これらの成果をふまえ、全国の保育所保育士を対象とした保育現場におけるHSCに関する質問紙調査項目を完成させた。 令和5年度は全国保育所データをもとに、全国1500か所(2024年能登半島地震被災市町等を除く)の調査対象施設を無作為抽出し、郵送調査を実施した。調査票は各施設に3部ずつ配布し、年齢・経験等の属性が偏らないよう、調査回答者を選択するよう施設長宛依頼文へ明記した。調査票は無記名・自記式とし、2023年2月郵送にて対象施設へ送付した。調査票は693通回収された(回収率15.5%)。 令和6年度(研究最終年度)は回収されたデータや現場保育士への意見聴取をもとに、HSCに対する保育士の意識や支援実態、コンピテンシー等に関する結果分析を行う。成果は論文等にまとめ、広く社会へ発信する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理由 令和4年度の研究が「やや遅れている」とした理由は以下2点である。 (1)令和2年度(研究1年目)コロナウイルス感染の流行等により当初計画通りに研究を遂行できなかったことから、全体的に進行が遅れている。 (2)令和5年度(研究4年目)は計画通り、本調査を行った。しかし、調査実施までに時間を要し、データ分析までに至らなかった。そのため、年度内での研究終了とならず、計画全体が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度令和5年度に実施した全国調査から得られたデータや現場保育士への意見聴取をもとに、HSCに対する保育士の意識や支援実態、コンピテンシー等に関する結果分析を行う。成果は論文等にまとめ、広く社会へ発信する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度~令和4年度に実施した保育所保育士を対象としたインタビューおよび質問紙調査において、調査票の発送業務や調査票の集計、データ整理等にアルバイト謝金を計上していたが、研究代表者自身が部分が多く、当初計上していた予算額を要さなかった。また、令和5年度調査の実施時期が年度後半と遅れたため、データ集計作業等の費用が次年度に繰り越されることとなった。これらの理由から、次年度使用額が生じている。 令和6年度はデータ集計、令和5年度調査結果に対する現場保育士の意見聴取等にかかわる支出を予定している。
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