研究課題/領域番号 |
20K02286
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研究機関 | 活水女子大学 |
研究代表者 |
馬場 保子 活水女子大学, 看護学部, 講師 (70623205)
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研究分担者 |
今村 嘉子 東京医療学院大学, 保健医療学部, 准教授 (00585143)
横山 加奈 愛知県立大学, 看護学部, 講師 (20551683)
新田 章子 長崎ウエスレヤン大学, 現代社会学部, 研究員 (30457501)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 離島・僻地 / アドバンス・ケア・プランニング / エンディングノート / 民生委員 / 地域づくり |
研究実績の概要 |
終末期ケアシステムは、離島・僻地のほうが都市部と比較して有意に整っておらず、マンパワー不足、地理的に訪問困難、病院スタッフに在宅移行の視点がない等が在宅看取りを困難にしていた。その困難さは,人口5万人未満と5万人以上の地域で境界があり、人口が少ないほうが困難であったが、人口5千人以下の離島・僻地ではマンパワー不足や24時間の支援体制構築の困難さはあるが、医師の在宅での看取りの関心が高く、病院スタッフに在宅移行の視点が高く、医師の多職種連携行動が高いという特徴があった。本研究は、医療・福祉資源の乏しい離島・僻地で生活する地域住民や地域を支える民生委員、療養者の急変時に搬送を行う救急隊員に焦点をあて、都市部と比較しながら、自分らしい終末期を迎えるための地域の取り組みと阻害要因を明らかにする。また、終末期の大切にしたい思いを実現するためにエンディングノート「人生ノート」がどのように活用されているのか実態を明らかにする。調査結果を地域へ還元し、評価を行うことで、地域の強みを生かしたアドバンス・ケア・プランニングの推進の地域づくりを目指すことが本研究の目的である。新型コロナウィルス感染症の蔓延により自治体の活動が中止され、離島への移動自粛もあり、フィールド調査が行いにくい状況であった。特に都市部において緊急事態宣言下にあったため、調査依頼が行えない状況であった。しかし、長崎県大村市で発行している「人生ノート」について、地域包括支援センター、医師会、専門職と協議し、事例を入れてACPをイメージしやすいように改訂版(第3版)の内容を検討することができた。ACPを考える機会となるように、2021年度の「人生ノート」を活用した講座の活動方針について協議した。「人生ノート」書き方講習会に参加した高齢者を対象に活用状況について質問紙調査を行う準備を進めており、倫理委員会の審査中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度の予定では、離島・僻地におけるACPの現状と課題について民生委員を対象に質問紙調査とインタビュー調査を行う予定であった。しかし、新型コロナウィルス感染症の蔓延によりフィールド調査が行えない状況であった。
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今後の研究の推進方策 |
「人生ノート」活用状況調査については、自治体の内諾が得られているため今年度中に調査、報告書作成まで実施する。今年度までは、新型コロナウィルス感染症の状況によっては、離島や僻地でのフィールド調査が難しいと思われる。感染症の動向を踏まえて、当初の計画を見直し実現可能な内容に変更し遂行する予定である。調査を実施する際は、特に調査対象者に強制力を感じることがないようにすすめていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していた質問紙調査を実施するための郵送料は未使用である。次年度は、質問紙調査およびインタビュー調査を実施する予定のため、郵送料、人件費が必要である。感染症の動向を踏まえながら調査を遂行する予定である。
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