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2020 年度 実施状況報告書

子ども虐待対応における地域版支援型対応モデルの試行と有用性の検証に対する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K02288
研究機関神戸女子短期大学

研究代表者

畠山 由佳子  神戸女子短期大学, その他部局等, 准教授(移行) (60442331)

研究分担者 加藤 曜子  流通科学大学, 人間社会学部, 非常勤講師 (90300269)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードDifferential Response / 子どもの安全を地域で守る / 市区町村における家庭支援
研究実績の概要

本年度の研究においては、当初4-6月の間新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受け、予定が少し遅れてのスタートとなった。本研究はソーシャルワーク研究であり、現場での実践者と研究者が連携協力しながら進めることを研究価値として大切にしているため、なるべく研究者が現場に出向き、研究協力者である児相職員、協力区職員、本庁職員と協議を重ね、目標とビジョンの共有を丁寧に行うことから始める必要があった。トップダウンではなく、現場の自発的な研究参加を求め、現場に資する研究としてボトムアップの変革につながるものとなることを研究の価値としている。そのため出張自粛期間中もオンライン会議やメール等により研究着手に遅れが無いよう研究協力者との準備段階の協議を重ねた。
7月以降、児童相談所及び区担当係にできるだけ出向き、子ども虐待対応ケースの内容、支援の状況等について記録およびヒアリングによるのデータ収集により支援の現状把握を行った。また自治体の現状を踏まえた上で、自治体研究協力者との協議を重ね、今回の研究の中心となる区での支援型対応実践モデルとなる「F市支援型対応モデル(F city Alternative Response Model;FARM)」の開発を行った。このFARMは区で行う支援モデルの概念図とモデルに沿った実践を行うためのツール(アセスメントシートや支援プラン評価シートなど)を含めたものであり、ガイドラインとしてまとめ、自治体全区に配布した。
次年度からのFARM実施遂行計画を立てるとともに、自治体の体制や実践状況を踏まえながらプロセス評価及びアウトカム評価のための評価指標及び方法等の具体的な計画を立て、ベースラインデータを収集する準備をおこない、次年度以降の実施及びその評価に備えた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2020年4月から開始の予定に関わらず、新型コロナウィルス感染拡大のため、初めの3か月、フィールドとなる自治体に出向けないことはとても痛手であったが、リエゾンとなる児童相談所長や本庁職員がオンラインで関係者との顔合わせや協議を設定してくださったことで、研究着手の遅れをなんとか最低限にすことができた。その3か月十分な研究着手のための準備期間とした上で、7月より本格的に研究活動を開始し、当初予定していた基礎情報の収集及び支援展開についての把握および実践モデル開発については年度内に計画通り完成を迎えた。同時にモデル実践のためのツールであるアセスメントシートや支援プラン評価シート等についても2区においてケーススタディをしながら実際試用してもらい、修正を加えながら完成、その実用性を確かめるに至った。アウトカム評価に対するベースラインの収集においても12月末からの緊急事態宣言もあり、児相での前年度のケースデータの収集が若干残ってはいるが、1-2回の出張訪問により完了できる予定でいる。

今後の研究の推進方策

研究協力自治体における2021年4月の人事異動により、研究協力者の入れ替わり及び体制変更があったため、FARMの定着のために6か月の猶予を与えることにより本格施行開始を2021年10月に予定した。それに伴いアウトカム評価のための評価時期を本格施行開始6か月後(2022年4月)と12か月後(2022年10月)と設定した。2021年4-10月はFARM試行段階として、研究参加区に主任研究者と研究協力者が定期的に直接赴き、実際の児相からの振り分けケースに対して開発したツールを試行したものを係員にプレゼンしてもらうグループSVの形式にて、その定着状況とモデルの忠実度テストを行いプロセス評価をしていく(プロセス評価は継続して2022年度も行う)。同時にアウトカム評価となる5つの指標(①子どもの安全安心、②子どもと家族の受けるウェルビーイング③家族の協力度・サービス提供量、④支援者の自己効力感、⑤児相との連携度)に対するベースライン及びプレデータを収集(2021年10月まで)を行う予定である。本研究の研究結果については途中報告も含めて、国際学会(2021年10月Kempe Center international virtual conference等)および国内学会において学会発表及び学会誌による論文として発表することを予定している。

次年度使用額が生じた理由

本年度は新型コロナウィルス感染拡大による出張自粛が続き、当初予定していたよりも出張ができなかった(特に分担研究者においては1回のみ)。次年度は分担研究者もフィールドに赴き研究代表者と共にモデル定着へのプロセス評価に参加するため、予定よりも多く出張を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 児童虐待通告窓口の一元的運用と区分対応システム(Differential Response)の可能性とこれからの展望(公募シンポジウム)2020

    • 著者名/発表者名
      畠山由佳子、藤林武史、久保健二、宗健太郎、鶴田智子、濱畑善行
    • 学会等名
      日本子どもの虐待防止学会第26回いしかわ大会

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公開日: 2021-12-27  

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