研究課題/領域番号 |
20K02296
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
増谷 順子 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 准教授 (50709326)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ダブルケア |
研究実績の概要 |
わが国では認知症が増加傾向にあり、仕事をしながら認知症の親の介護をする人が増えている。ところが、仕事と介護の両立は難しく、介護を理由とした離職者が増加していることが社会問題化している。今後も育児と仕事を両立する女性の増加が見込まれる。しかしながら、近年の晩婚化・晩産化を反映して、育児時期と同時に介護を引き受けなければならない「ダブルケア」が発生する状況が増えてきており、女性が社会で活躍することの大きな阻害要因となりつつあり、早急の対策が求められている。 本研究は、仕事を持つ女性の未就学児の育児と認知症の親の介護のダブルケアの実態を明らかにし、仕事をしながら育児と介護を両立できる支援プログラムを開発することを目的としている。 今年度は、ダブルケア実施者への支援プログラムを作成することであった。昨年度のインタビュー調査の結果から、ダブルケア者は、【最優先の育児】【頑張らないで、割り切る介護】【安全・安心重視の介護】【優先せざるを得ない介護】【在宅介護を続ける理由付けをする】【一人になる時間は諦める】といった6つの行動パターンをとることで、育児と介護における困難に対し、状況に応じて重要度と緊急度により優先順位をつけて対処行動をとる「優先度をつけるダブルケア」を実践していた。これらの結果をもとに、文献検討・実践家へのヒヤリング調査を通して、支援プログラム(案)を作成した。ダブルケア実施者への支援プログラムの重要な構成要素として、「緊急時やちょっとした時間の見守り」「一人の時間の確保」が見い出された。この具体的な支援策として、『気軽に頼れる居場所』『オンラインを活用とした被介護者への支援』の必要性が示唆された。今年度は、『オンラインを活用とした被介護者への支援』について、地域在住高齢者を対象として、オンラインを活用とした園芸活動を実施した。その結果は、学術集会にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度の研究目的は、ダブルケア実施者への支援プログラムを作成することであった。昨年度のインタビュー調査の結果をもとに、文献検討・実践家へのヒヤリング調査を通して、支援プログラム(案)を作成し、その支援プログラムの一部について、プレテストを実施できた。 以上のことから、研究目的が達成できたため。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度の研究目的は、ダブルケア実施者に対する支援方法の一つとして、「緊急時やちょっとした時間の見守り」「一人の時間の確保」のための具体的な支援策として、『気軽に頼れる居場所』『オンラインを活用とした被介護者への支援』を作り、ダブルケア実施者と被介護者双方に利用してもらい、その効果を検証することであり、当初の研究目的と変更なく、遂行していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の拡大によりオンライン会議となり、旅費の支出がなくなったため。次年度は対面での会議や調査を実施していく予定であり、旅費、人件費・謝金を予定通り計上する。
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