研究課題/領域番号 |
20K02299
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研究機関 | 長崎県立大学 |
研究代表者 |
吉田 恵理子 長崎県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (00284638)
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研究分担者 |
永峯 卓哉 長崎県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (70326487)
菊池 良和 九州大学, 大学病院, 助教 (70467926)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 吃音 / 社交不安障害 / ソーシャル・サポート / 思春期 / 青年期 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、思春期・青年期の吃音者の社交不安障害と親・友達から実際に受けている支援と求める支援との関連を明らかにし、思春期・青年期吃音者の社交不安障害を和らげる「思春期・青年期の吃音者へのソーシャル・サポートモデル(案)」の提言を目指すことである。2020年度は、リモートも活用しながら、研究者間で文献検討、インタビュー・質問紙調査の準備を行った。具体的には、インタビューガイド(案)の作成、文献を参考に、思春期・青年期吃音者へのソーシャル・サポート質問紙(案)の作成を進めた。 STEP1として、思春期・青年期の吃音者へのインタビューを実施し、親や友達(親友・友人)からの支援の実際と求める支援についてデータを収集し、分析結果をふまえ「思春期・青年期吃音者へのソーシャル・サポート質問紙」を作成する予定であった。しかし、Covid-19の感染拡大により、研究開始前に協力依頼を行っていた吃音関連の自助グループが活動を縮小・停止せざるを得なかったため、インタビューの実施延期が余儀なくされた。そこで、リクルート方法を再検討し、現在までに3つの吃音関連団体から研究参加者の紹介への同意、機縁法により8名から研究参加の意志表明を得ている。今後、インタビューの対面での実施が困難な時期が長期化することも考え、2021年3月時点で、2名の青年期吃音者とは、それぞれ2回ずつの電話またはZoomを活用した吃音以外の話題による事前面談を実施し、リモートインタビューについても準備をすすめている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の計画では、思春期・青年期吃音者に対し、インタビューを実施し、その結果を踏まえ質問紙を作成する予定であった。しかし、Covid-19感染拡大によりインタビューの延期を行った。本研究では、調査者と研究参加者がラポールを取りながらの対面でのインタビューを計画していた。吃音者の場合、電話や慣れない環境(リモート)の会話に緊張や話しづらさを感じる人も多いため、電話・リモートでのデータ収集をそれまでの関係性の構築なしに行うことが困難であった。また、インタビュー依頼予定者の中には、所属機関でCovid-19感染者が発生した者や、家族・親類が感染者となり不安を表出する者もおり、そのような状況で調査協力依頼を行うことは倫理的に妥当でないと判断し、面接を延期とした。また、研究者がCovid-19による対応に追われたことにも起因する。
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今後の研究の推進方策 |
Covid-19感染拡大終息の遅延も鑑みて、リモートでのインタビューの準備をすすめる。 2021年度は、遅れていたインタビューを実施し、STEP1の思春期・青年期の吃音者の吃音による困難と、保護者、友達(親友・友人)からうけている支援、求める支援の経験を明らかにする。また、インタビューの分析結果をふまえ、2020年度に作成した、思春期・青年期吃音者へのソーシャル・サポート質問紙(案)の修正を行い。質問紙による調査を開始する。またインタビュー結果をまとめ、学会発表を行う準備を進める。 研究遂行にあたり、思春期・青年期の吃音者への保護者、友達(親友・友人)からうけるソーシャル・サポートは、Covid-19の影響を受けることも考えられるため、Covid-19による対人関係の変化も考慮しながら、研究の分析・考察を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
Covid-19の感染拡大に伴い、対象者からの調査延期の申し出および研究者の所属機関より県をまたいだ出張の自粛要請が行われインタビューを予定通り実施できなかったことにより、旅費、謝金、人件費の支出が少なかった。 次年度は、本年度遅れている研究計画をできる限り遂行し、インタビューのテープ起こし、データ整理・入力の人件費および、可能であれば旅費に使用する。なおCovid-19感染拡大終息の遅延も鑑みて、リモートインタビュー時の貸与可能なタブレットやWebカメラ等の購入も検討する。
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