研究課題/領域番号 |
20K02301
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
會田 玉美 目白大学, 保健医療学部, 教授 (60406569)
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研究分担者 |
山田 孝 東京保健医療専門職大学, リハビリテーション学部, 教授 (70158202)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高次脳機能障害 / 医療福祉連携 / 社会参加 / 地域リハビリテーション |
研究実績の概要 |
本研究は区市町村における高次脳機能障害の効果的な支援を促進するために、支援者・当事者からみた量的および質的な支援の効果を明らかにし、オンライン(クラウド)上でリアルタイムで密な支援者連携を可能にする書式およびデータベースを作成することを目的としている。 2020年度は区市町村における高次脳機能障害の支援の効果に関する都内の支援者を対象にパイロット調査を行い、また全国を対象に本調査を行った。パイロット調査の結果は世界作業療法学会に演題を登録し、採択された。本国際学会の開催が延期され、2022年9月開催予定である。本調査の結果を発表する予定の国際脳損傷学会の開催も2021年3月から2023年3月に延期された。 2021年度は本調査の結果により、区市町村における高次脳機能障害の支援の量的な効果と質的な効果が明らかになったことを元に、個人情報に配慮した情報交換シートを作成し、板橋区自立支援協議会高次脳機能障害部会の情報交換会(支援事業所22か所参加)で試用を開始した。参加者へのアンケート調査からは概ね良好な反応がみられた。情報交換の枠組みを示すことができたため、情報の過不足や効率化を促進することができたと考えている。また、調査結果から症例検討会と家族会への支援の有効性があげられていたため、Zoomおよびブレイクアウトセッションを用いた症例検討会の実施、およびCOVID-19の流行により、高次脳機能障害者および家族への情報提供が少ないことを懸念し、高次脳機能障害者の医療リハビリテーションと障害福祉リハビリテーションの2本の動画を作成、板橋区公式チャンネルに公開した。 2021年の成果発表としてはRehabilitation International congress(オンライン開催)での発表、Impact, Volume 2021, Number 6に論文を掲載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インタビュー調査を予定していたがすべてアンケート調査に切り換えた。また発表の機会が得られにくく、結果を得られた時期に応じた発表に結び付けられなかった。 現在も区市町村における高次脳機能障害の支援の効果本調査結果を発表に結び付けられていない。2023年3月開催の国際脳損傷学会を予定しているが、早期に発表できる方法があるならばそれを探す。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は2021年度に使用した情報交換シートのリアルタイムに使用するために、主だった支援施設(3病院、障害者センター、当事者会、障害者通所施設数か所)を対象に、困難ケースや施設間での検討を要するケースをグーグルスプレッドシートに掲載し、関係者のパスワード管理で試用を開始、連携の量的、質的な効果を測る予定である。 IT環境の目覚ましい進歩により、本研究計画時(2019年)よりもデータベース化やオンライン上での交流や情報共有が容易かつ安価に行えるようになっており、高次脳機能障害者の支援者のITスキルも向上した。安全性を十分検討しつつ、支援ネットワーク構築につなげたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
成果発表の機会が少なかったことと旅費がかからなかったことがあげられる。次年度は成果発表の機会を増やすこと、またオンライン上の情報共有システムを用いるための協力にかかる謝礼が必要である。
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