研究課題/領域番号 |
20K02302
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
池谷 秀登 立正大学, 社会福祉学部, 教授 (70609627)
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研究分担者 |
林 健太郎 慶應義塾大学, 産業研究所(三田), 講師 (50803516)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 生活保護 / 生活保護法第78条 / 不正受給 / 福祉事務所 / ケースワーカー / 貧困 |
研究実績の概要 |
本研究は生活保護の不正受給における「不正」とは何か,「不正受給」とは何か、福祉事務所による不正受給の認定の実態はどのようになっているのか、それはどうあるべきか、不正受給の防止策はいかにあるべきかを検討し、不正受給に対する適正な生活保護行政を構築することを目的としている。 令和2年度は福祉事務所における生活保護不正受給の判断のあり方などの検討を行い、被保護者の状況を把握しているといわれるケースワーカーが「不正受給」と判断した理由、根拠などとともに、保護費の返還にあたっての裁判例を検討した。 令和3年度は福祉事務所設置自治体であるK自治体(K市)と共同研究の協定を結び、K市での在宅の被保護世帯全てを対象にアンケート調査を行った。ここでは、アンケート内容、方法等について検討したうえで実施し、その一部ではあるがアンケートの結果概要をまとめることができた。また、生活保護返還金についての行政の判断について裁判例の検討を行った。 令和4年度は、被保護者の就労支援の視点から生活保護行政の不正受給の扱いについて検討するとともに、福祉事務所における不正受給の判断方法の実態を研究し、その成果の一部について学会報告(貧困研究会「福祉事務所による生活保護不正受給決定の判断方法―ケース診断会議録からの検討―」)をおこなった。また、生活保護不正受給に関わる裁判例の検討も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年度はコロナ禍の中で福祉事務所設置自体との研究が十分に行えず進捗状況はやや遅れた。 令和3年度にはK市との共同研究の協定を締結したことで、K市在住の全被保護者を対象とした「生活保護利用者アンケート調査」を実施し、その結果の一部について概要をまとめ、概要報告書として冊子を刊行することができた。またK市の生活保護不正受給を始めとする生活保護行政のあり方について、検討を始めることができた。この他に生活保護不正受給についての文献検討、判例検討も行った。 令和4年度は学会(貧困研究会)報告「福祉事務所による生活保護不正受給決定の判断方法―ケース診断会議録からの検討―」を行い、活発な意見効果をおこなった。また、論文による研究成果の発信を行うことができた。しかし、K市と共同で具体的で効果のある不正受給防止施策の検討及びまとめを予定していたが、コロナ禍のためK市ケースワーカー等との検討会が開催することができず、研究状況にやや遅れが生じた。このため、裁判例検討、不正受給をめぐる生活保護行政の沿革の研究にとどまった。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は令和3年度にK市との共同研究として行った「生活保護利用者アンケ―ト」の分析とともに、福祉事務所、ケースワーカーの状況についての分析、検討をすすめ生活保護不正受給に対する適正な生活保護行政のあり方をK市職員とともに検討し、研究を進める。 また、不正受給の発生を防止する適正な生活保護行政の手法を検討し、発信できるようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和4年度は、K市における生活保護不正受給防止策について、コロナ禍のためK市ケースワーカー等との十分な検討を行うことができず研究に遅れが生じ、これをまとめることができなかったため次年度使用額が発生した。 令和5年度はK市との共同研究により行われたアンケート調査を基に、K市との共同研究を進め、不正受給防止策について検討を行い、まとめを行う。また、本研究をより精緻なものとするため文献検討等をさらにおこない、研究成果報告を発信していく計画である。
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